「正社員になってください」。精密機器メーカー「キャノン」の川崎市にある職場で、
派遣社員として働く女性(37)は3月15日、会社側から伝えられた。要望していた
とはいえ、信じられなかった。
子会社である人材派遣会社キャノンスタッフサービスからの派遣で、12年間仕事をしてきた。他の派遣社員が次々と打ち切られるのを見て、労働組合「東京ユニオン」に加入。資料を作って昨年12月、キャノンと子会社、神奈川労働局に提出した。
その結果、どう労働局が今年2月、会社に女性を直接雇うように指導したのだ。
認められた理由は、専門業務で登録した契約内容と、実際の仕事内容が食い違っていたからだ。この女性が契約した仕事は、OA機器操作とファイリング、秘書の専門業務。
だが、実際の仕事は、と書棚の整理や電話の対応、給湯室の掃除など一般業務も多かった。1か月間分を一分単位で記録すると、1日の労働時間7時間半のうち、1時間が当てはまった。
昨年、労働者派遣法が改正され他。専門的な仕事だと、これまで3年に制限されていたが、期限の上限はなくなり、企業は何年でも同じ人を派遣で受けられる。しかし、一般的な仕事の場合、1年から3年の派遣期間を超えた場合に、企業が直接、雇用の申し込みをしなければならなくなった。この女性の場合は、契約した専門業務だけでなく、実際の仕事内容から一般業務を含む複合業務とみなされたため、この期間制限に引っかかったわけだ。
朝日新聞2005年3月25日生活欄より
no.2 ( 記入なし05/04/05 19:55 )
さらに
東京都内に住む女性(40)も昨年8月、派遣から正社員になることができた
「成功例」だ。
3ヶ月ごとの更新で、計4年3ヶ月、大手電機メーカーの関連会社(川崎市)で派遣社員として働いた。04年5月、「三週間後に辞めて欲しい」と言われた。
ファイリングという専門業務で登録したが、電話の受付なども多かった。仕事内容を詳しく記録した資料を8月に神奈川労働局に提出し、「正社員になりたい」と伝えた。
女性の仕事について、労働局は、一般業務が多いと判断し、会社側に直接雇うように指導した。女性は、今、産休中で、4月に第2子を出産予定だ。「正社員でないと、産休なんて取れなかった。派遣の時は次回も契約が更新されるかいつも不安だった」と話す。自分も有資格者だと思ったら、どう行動していけばいいのか。
まず詳しい記録を残すことが重要。
東京ユニオンは、お茶組み、電話の受付など何時何分から何時何分魔で、どんな仕事をしたかをメモするのがポイントだ、という。専門業務として登録しながら一般の仕事の時間が一割を超えていると、一般業務を含む複合業務とみなされることが多い。
その上で、職場の上司に、「この仕事内容で間違いない」という確認のサインがもらえれば、尚有力な資料になる。
労働局から調査を受けた企業側が、「そんな仕事はさせていない」と反論する場合もあるからだ。
具体的な資料の作り方や会社側への交渉の方法は、テクニックも必要。
無料相談を受け付けているNPO法人「派遣労働ネットワーク」に聞くのも、一つの手だ。
no.3 ( 記入なし05/04/05 20:07 )