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不信のとき

Author:伊藤 博文 ( Profile )
心に愛がなければ、いかなる言葉も相手の胸に響かない。
    〜聖パウロの言葉より〜

 ■ 2012/06/01 (金) 足跡


この前、風邪をひいて会社を休んだ時
深夜、天井を睨みながら思った

たとえば、中学生くらいのとき48歳の自分など想像もつかなかった
48年なんて、思えば僕もずいぶん遠くまで歩いてきたものだ
年上ぶるつもりはないが、これは同年代の人にしかわからない、
20代や30代の人にはピンとこない感慨ではないでしょうか

自分の一生などただ泥の中をのたうち回っただけのようなもの
それでも不思議なことに大学を卒業し26年サラリーマンを続けてきた
後悔することの多い人生だったが
私淑する中村天風師の書物にふれ、それなりに満足のいくものだったのだ
と最近考え直している

大学も出た、今は自分の「城」も持っている、
しかしとうとう家族だけは持てなかった
それもまた仕方があるまい





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記入なし モト冬樹さんは、59歳で結婚しましたな。晩年のパートナーを探すことは可能かと思われ。 (12/06/01 20:33)


 ■ 2012/05/27 (日) きゃりーぱみゅぱみゅ


自分は昔、あるB級のアイドル?アーチスト?のファンだった
何回かコンサートにも行ったことがある
コンサートもうまく行くコンサートもあるが、中には「金返せ」みたいな
雰囲気が盛り下がる最悪のコンサートもある
そのうち彼女は「商品」で自分達はお金を吸い上げられているんだなと気づき
いつの間にか興味も関心も薄れていった

きゃりーぱみゅぱみゅ嬢はちょっと変わった可愛らしさがあって、僕は好きだ
最近、本屋に入ると彼女の出ている雑誌を無意識に探してしまう
ユーチューブで彼女の歌って踊っている動画をみてしまうし
駅に貼ってある彼女の大きなポスターにも見とれてしまう
どうやら僕も久しぶりにプロデューサー殿の催眠術にかけられたらしい

今日は昼、大阪でステージして夕方、名古屋でまたステージらしい
大変だなと思う
「商品」だと思ってあんまり酷使するなよ、会社の方

コンサートで歌詞を間違わないといいが・・・


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 ■ 2012/04/14 (土) 金曜日の夜、職場に泊まる


私の自宅は都内で、職場も都内である
仕事で遅くなって終電を逃しても、タクシーで帰れば4000円弱くらいだ
けれども、どうせ家に帰っても誰もいないし、いったん家に帰って土曜日の朝でてくるのがめんどうな時、職場に泊まることがある。

世間が華やいでいる金曜日の夜に、
オフィスに閉じこもって書類をつくっているのもかったるいものだ
ビルの地下のコンビニで買った弁当で腹ごしらえを済ませ、
机に向かっていると同僚が一人また一人と帰っていく
そのうち、とうとう自分一人になり、
11時を過ぎてもまだ目処がつかないので、今日は泊まりと決めた

0時を廻ったところで一時休憩
じゃがりこ、ポテトチップスをがりがりかじりながらテレビをみる
15分して仕事再開、とりあえず資料ができたのが午前2時過ぎだった

私の職場は高層ビルの9,10Fにある
仕事を仕上げた安堵感でほっとして缶コーヒーを飲みながら
喫煙コーナーの窓から階下の高架道路、ビルを見下ろす
向かいのビルでもまだ明かりがついて人がいる階があってほっとする。

トイレで歯磨きをした後、所長室のソファで寝ることにした
ネクタイ、ワイシャツのままゴロンと身を投げ出し
毛布をひっかぶり泥のように眠った

土曜日の朝は小雨模様だった
ビル地下のコンビニはしまっているため、外のコンビニで
カップラーメン、パンを買ってきて朝食をとった
昨夜仕上げた書類をもう一度チェックし、とりあえず関係者にメールで送った

職場をでたのは10時半だった









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サイコロ 仕事が充実しているところが羨ましい^そのような日は、牛丼で朝日を迎えるのがいいですよ^若い頃たまにやっていました^ (12/04/15 10:20)
記入なし とにかく御疲れ様でした。 (12/04/14 23:44)


 ■ 2012/04/14 (土) 猟奇的な彼女


この映画をみたのは、たしか2000年の日韓ワールドカップの頃だった
新宿のミラノ座の映画館で立ち見して観た、つまり館内は満員だった

冒頭のゲロを人の頭にかける場面で館内が沸いたのを覚えている
前半は笑えないギャグの場面が多くて見ていて困った

ところが中盤以降ぐっと盛り上がってラストでクライマックスを迎える
後半はみていて心に染み入るような印象的なシーンが多かった
久しぶりにいい映画だと思った

この人の映画でもうひとつ好きな映画は「イルマーレ」
猟奇的・・・とは対照的な、秋のような淋しい感じのする恋愛映画である


ご結婚おめでとう、末永くお幸せに・・・


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 ■ 2012/04/08 (日) 小説遍歴


「人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うには莫迦莫迦しい。
 重大に扱わなければ危険である
 人生は落丁の多い書物に似ている。
 一部を成すとは称しがたい。しかしとにかく一部を成している」 
                    ・・・・芥川龍之介「侏儒の言葉」

僕の短編小説遍歴は森村誠一から始まった

森村誠一
まだ中学生の頃、学習塾の帰りに本屋で立ち読みするのが常だった
容貌と同じく四角四面な印象。でも内容はそこそこ面白い
新しいものは読んでいないが、角川文庫の古いカバーの時代のものは
たいがい読んだ

司馬遼太郎
司馬さんの小説は二十代の若い頃に短編、長編ともに大方読んだ
(大黒屋光太夫の題材のものは読んでいない)
ただ、後の津本陽あたりの小説と比べると少しデテールが荒いかなという気がする

松本清張
内容の面白さでは、他の作家を大きく引き離している
「顔」「声」「張り込み」のような推理物だけではなく
「戦国権謀」等の時代物もある
帝銀事件、下山事件等の事件ものも面白い
長編は読んでいないが文庫本の短編はほとんど目を通している

新田次郎
文体が好き。ミネラルウオーターのような清冽な印象がある
真面目な人柄がうかがえる
山岳小説というジャンルを初めて読んだ
歴史物のほかに海外旅行物、紀行文もある
一時、非常にのめりこんだ

阿刀田高
男女間の機微を軽いショートショートにまとめた短編
そのなかに「ガラスの肖像」や「花惑い」のような秀作集があったりする
読みながら架空の恋愛を楽しんだ

芥川龍之介
師匠の漱石ファンには申し訳ないが、自分には漱石でよかったと
おもうのは「こころ」だけだった
その点、この人の小説は長編、短編とも素晴らしいと思える
文章に頭の良さがにじみ出ていて、他の作家にくらべ
文体、内容すべてにおいて優れている。
まだ中学、高校の頃、家にあった旧字体の全集を
寝る前に布団にもぐりながらよく読んでいたものだ







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中年競馬 僕は藤沢周平が好きです。 (12/04/08 16:56)


 ■ 2012/03/27 (火) ナイトスクリーン


http://www.youtube.com/watch?v=RRsMhuyVzbQ

これを覚えている人はいるだろうか?

自分が大学生の頃、深夜のTVで流れていたイントロである

夜も更け、深夜という感じがでていて、今見ても懐かしい

コメントにもあるが、都会の夜もこれくらい静かなほうがよいと思う


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 ■ 2012/03/14 (水) 貂(てん)の尾を 輪違いに振る 関ヶ原


司馬遼太郎の「馬上少年過ぐ」という文庫本のなかに「貂の皮」という短編がある
豊臣秀吉配下の賤ヶ岳の七本槍の一人、脇坂安治の物語である。

ちなみにタイトルにある「貂」の皮は旗指物、「輪違い」は家紋、
関ヶ原の戦いで小早川秀秋の裏切りに呼応して、
さっきまで味方だった大谷刑部隊を攻撃したことを皮肉って作られたものである。
江戸時代の俳句なのだが、なかなか秀逸な出来と思う。

彼の履歴を書くと長くなるので略するが、足軽出で、末は五万石の大名、
その子孫には幕閣老中になるものもあった。
家系は五万石のままだったが、明治まで続いたのだから成功者といっていい

サラリーマンも同じ、何も大封を得るだけが能ではない
安易な転職に走らず、要は状況に応じて生き残ることが肝心では・・・?


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サイコロ ところで・・・それができますかな^^ (12/03/15 00:52)
サイコロ 生き残りを賭けた戦国時代・・・最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である・・・ですね^ (12/03/15 00:46)


 ■ 2012/02/29 (水) 夢


中学の同級生だった女の子と笑いながら世間話をしていた
場所はどこかの喫茶店の中である
話の中身は忘れてしまったが、久しぶりに楽しい時を過ごした

場面が変わって僕と彼女はタクシーに乗っている
皇居のお堀端をタクシーの窓から眺めながら
彼女が言うには
「私は今、離婚して一人で働きながら暮らしているの」
僕は「ふうーん、そう」

・・・・ここで目が覚めた
暑い夏の夜だった。エアコンの静かな空調の音を聞きながら
時計を見ると午前3時だった・・・


ちなみに僕と彼女がいっしょのクラスだったのは今から34年前
彼女に最後に会ったのは今から27年前

そして・・・上記の夢をみたのは今から11年前のことである





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 ■ 2012/02/19 (日) 感想戦〜(謝 依旻 − 羽根 直樹 戦を観ながら)〜


感想戦(かんそうせん)とは、囲碁、将棋、チェス、麻雀などのゲームにおいて、対局後に開始から終局まで、またはその一部を再現し、対局中の着手の善悪や、その局面における最善手などを検討することである。(Wikipediaより)

人生にたとえてみれば、臨死体験中の人生回想がこれにあたるわけで
終わった試合を振り返りながら、あーだこーだと言っている
ある種のむなしさを感じさせる・・・
対局中の緊迫感にくらべて、それは弛緩したムードがあるのはやむを得ないか

僕らはまだ生きているわけで、つまり今、試合(ゲーム)の真っ最中である
つねに頭を働かせながら、最善の手を練り戦っているわけだ
人間の一生など終わってしまえば、誰も振り返らないむなしいものかもしれないが
それでも自分自身が生きている間は、スリルを感じながら戦っているのである

棺が覆われて人間ひとりの一生が定まるまで、
自らの納得がいく人生を送らんものと戦っている
それが他人から見て、いかに小さくつまらなく見えても・・・だ

僕は最近、先達・・人生の闘争者達・・の伝記をむさぼり読んでいる
さまざまな人生の感想戦を知るのは興味深いものだ
この世は面白くてしょうがない・・・戦場?それとも劇場?

謝依旻女流本因坊の顔がゆがんでいる
女流本因坊初のベスト8進出だが、苦しい試合だ













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記入なし 女流棋士も強くなったんだろうけど、日記を読んで故・大山康晴十五世名人を思い出していた。相手がダメと見た形の先に罠を張って勝ちきる将棋が凄かった。 (12/02/19 20:14)


 ■ 2012/01/24 (火) 洗礼−楳図かずお−


美貌を誇った往年の大女優・若草いずみは、子役時代からの厚化粧や撮影所の強いライトの影響などにより、やがて顔に深いしわや醜いあざが出来てしまう。幼い頃から人一倍「美醜」や「老い」といったものに敏感だったいずみは、そのあざのせいで精神の安定を欠くようになり、ついには、若さと美貌をとりもどすため、女児を出産し、その娘に自身の脳を移植をするという計画を企てる。

いずみは、無事出産した娘をさくらと名づけ、彼女の頭が十分大きくなるまで大事に育てあげた。周囲からは良き母・娘と見られ、さくらが書いた作文「わたしのやさしいおかあさん」は文部大臣賞を受賞するほどのものであった。

一見良好な母・娘関係の裏で、いずみの主治医は、家の2階で、来るべき脳移植手術にそなえ、動物実験を繰り返していた。さくらは不気味なものを感じ取ったのか、決して2階に行くことはなかった。ある日、さくらが思い切って2階に上がってみると、動物実験の痕跡である大量の死骸と、2台のベッドを発見。母親の真の意図に気づいて逃げ出そうとするが捕まってしまい、おぞましい脳移植手術は強行される。

生まれ変わったいずみ(さくら)は、普通の女としての幸せを手に入れると称して、担任である男性教師・谷川の愛をつかみ取ろうと決意。これまでのさくらのボーイフレンド(同級生)には、子供なんてもう相手にしない、自分が欲しいのは大人の愛だと言い放つ。しかし、独身だと思っていた谷川に実は妻子がいることが発覚。そこで、いずみは策を講じて谷川の家にうまく乗り込むと、谷川の妻を陰湿の限りを尽くしていじめぬき、谷川を小学生の体で不気味に色っぽく誘惑する。

いったんは、妻を病院送りにして谷川から離婚の約束をとりつけ、目的を達したかに思ったいずみ。だが、勝ち誇るのもつかの間、実は谷川夫妻そろっての芝居にだまされており、妻は実家に避難し、谷川は密かにさくら(いずみ)に病院でカウンセリングを受けさせようとしていたことを知って涙を落とす。

おりしも、手術前のいずみの顔にあったのと同じ、加齢や過度の化粧による醜いあざが、小学生であるさくら(いずみ)の顔にも出現。さらには、若草いずみの引退後を追跡調査するルポライターも現れ、いずみは徐々に追い詰められていく。いずみは最終手段として、さくらの親友である良子に全てを打ち明け、谷川の妻である和代への脳の再移植を強行しようとするのだが・・・



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