◇エリート教育は格付け−−斎藤貴男氏
中部財界の出資で来春開校する中高一貫校「海陽学園」が、陰で文部科学省の支援を受けていたという事実を連載で知った。文科省は公立の学校の子にはゆとり教育を説く一方、富裕層の子をエリートに仕立てる教育にも手を貸していた。公立に通う子をばかにした話で憤りを感じる。
海陽学園は英国のパブリックスクール(貴族学校)を手本にしている。財界は東大を頂点とする既存の学歴エリートに飽き足らず、帝王学や「ノブレス・オブリージュ」(身分の高い者が果たす義務)を修めた戦前の旧制高校的なエリートを育てたいのだろう。子どものうちから「一級市民」「二級市民」を格付けする発想だ。
岡山市の株式会社立朝日塾中学校の学園長の言葉も興味深い。「質の高い教育は金で買え」と高らかにうたう。教育への企業参入が進めば「教育の機会均等」という建前はいとも簡単に取り払われると想像させる。
このような流れは竹中平蔵氏の唱える構造改革路線に合致する。持てる者と持たざる者、勉強ができる子とできない子の教育のスタートラインの距離はますます広がるだろう。すべての子に一定水準以上の学びの機会を与えるという公教育の原点に立ち戻るべきだ。<毎日新聞より>
教育の義務って 意味がないのかな
投稿者 : 1 日時 : 06/09/06 12:05