水流無形のながれもの日記

それからしばらくの日々が過ぎ、ブルーハーツの曲ばかりやっていたのだがしばらくしてSが私にあんまりなじみのないモノを聴かせ始めた。
メタル。
ヘビーメタルだ。
初めは聖飢魔�Uだった。
そして、だんだんと洋楽へ。
それも、面白げなPV（プロモーションビデオ）付きのやつだ。
そういうものをやさしく、
幼児に離乳食を与えるがごとく、
ていねいに、
かつ巧妙に、
私をメタルヘッドへ変えていったのであった。

死ぬほど忙しい正月でした。
店舗関係の仕事でほぼ２４時間フル稼働で２８から３日朝５時まで！仮眠もほとんどとらずやっていたので疲れました。年賀状もかけなかったし、メールもまだだし・・・
明日休みとったから明日しよっと！
今年もよろしく！

昔話をし始めたとたん、偶然にも昔話の舞台になってる町（しかも私の通った小学校のすぐ近所！）の仕事に行くことに！もう何年も行っていないし、会社とも一見かかわりもないわが故郷になぜ仕事が！こういうことってあるのね・・・

そのとき私はまっすぐにうなずいた。
迷いは全くなかった。
その晩はギターのS（以下S）と店がはけるまで飲み交わした。
次の日、記憶に間違いがなければ確か日曜だったはずだ。
朝、目を覚まし、身支度をしてSの当時住んでいた公団住宅の前にたち、はたと気が付いた。
公団住宅は１０棟くらいあるのだが、公団住宅４Fにすんでいる、という以外どの棟のどの部屋かを聴いていなかったのだ。
しかも当時まだ携帯電話は出回っていなかったし、電話番号の交換も忘れていた。
普通ならばここであきらめるか、もしくはその晩にでもまた飲み屋で待つなりするところなのだろうが、私はそうしなかった。
なんと、すべての棟を総当りし、同じ苗字をリストアップし、それのなかで4Fに住んでいるものを割り出し、更に女性の名前でないものを見つけ、訪問したのだ！（我ながら恐ろしい行動力、そして執念だ！）
そして見事にSを見つけ、訪問すると、「なぜここだと判った！？」と大いに驚いていたっけ。
どうやら彼は、酔った勢いで誘ったらしいのだが、見つけ出した経過を知り、大いに私の執念とやる気（？）を褒め称え、本気でバンドをやる気になったのだった。

日々は飛ぶように過ぎている。
本当に羽でも生えているのではなかろうかと思う。
さて、今回は私の思い出話でも書いてみようかと思う。

今をさかのぼること１６年位前、時はまだバブル景気と呼ばれていたころ、
中卒で仕事を始めていた私は居酒屋で酒を飲み、大いにカラオケを歌っていた。
まだ自分の中にある怒りの本質が、原因が、自分にすらわからない私は、
どうしようもないやりきれなさを、大声で歌うことで解消していたのだった。
当時、私はブルーハーツが大好きでたまらなかった。（いまでも心の奥底には「少年の詩」が鳴り続けているのだが）
毎晩のように飽きずにあれが違う、ここはこうだろう、などと自問自答しつつひたすら歌っていた。
ある夜、いつもの居酒屋でいつものように歌っていると、その居酒屋のヌシともよばれるとある人物が実に驚くべき誘いを私にかけたのだった。
一言で言うと、「バンドやろうぜ！」と。

かつての住まいから離れ、新天地に着てからあと１０日ばかりで一月が経とうとしている。
その間にもいろいろなことがあった。
まず、自分の新たなスキルを手に入れるため、
同じ建築業の中でも特別な位置にある仕事を
あえて見習いからはじめたことだ。この仕事がとてつもなく楽しい。
仕事としては前に１７年間仕事をしてきた物の延長にあるものなのだが、
とても新鮮で、とても自分にとって将来が開けるようなものに思えたのだ。
たぶん、このカンは外れないように思える。
今の段階で１週間と少し経ったのだが、いまのところはつらいとはカケラも思ったことはない。
さあ、風は吹いてきたぞ！

あんまり肩に力が入りすぎていると疲れるのでここで趣味の話をしよう。
私の趣味.

その名はメタル。

そう、ヘビーメタルである。

メタルを聴いた私は、

血が騒ぐ。

叫びだしたい衝動に駆られる。

酒も加われば最高だ。

今年の10/18、埼玉スーパーアリーナにて、ラウドパーク’０８というメタルフェスが開催された。
当然、私は参加して大騒ぎに加わってきた。

ちなみに、私の職業は自営の大工である。
仕事がない職人など無職も同然だ。（繰り返すがこのままでいる気はない。）
当然、いらいらしている。
そいつを抱え、

思い切り叫びを上げ、

頭を振り、

そして、

メロウィックサインを掲げてやった！

そのときの私は「私」から１０代のころの「俺様」に変わる。

私にとってメタルは酒と並んで愛してやまないものである。

付け加えて、メタルと並んで愛してやまない愛妻は、
そのとき私の隣で頭を振っている。

昨日、新しく取引しようとした会社の代表と面接。
結果的に言えば条件が折り合わず決裂といったところか。

そこで新たな志を得る。

まだ自分が対応できる幅が狭すぎる。
もっとやれることを広げよう。

今までのスタイルに固執しているのが問題かもしれない。

苦手なものはたくさんあるが、
どうしてもできないことを除いてもまだまだやれるようになることはある。

水は厚みが薄くなろうと、
幅が狭まろうと、
たしかにそこにあるのだから。

いつまでもこのままでは在るまい！

年30代なかば、男。
趣味、メタル。
配偶者、あり。
夫婦仲、よし。
金には縁はなし。

こんな私に足りないもの。
それは、やわらかく受け流す心だとよく人は言う。

自分でも確かにそうかもと思う。

しかし、私は「私」なのだ。

長いものには巻かれたほうがいい。
利益があるほうについたほうがいい。

そのとおりだ。

しかし、私は「私」なのだ。

そこで私は考える。
信念とは何ぞや？
優柔不断とは？
「私」とは？

私は思う。
自分の信念に基づき、かつ、己の意思の最終的な成就のため、
長いものに巻かれ、利益に付き、なお「私」を貫いたとき、
私の勝利なのだと。
それを「信念」とするため、あえて己に足りないものを4文字にまとめ、
「水流無形」と名乗ることにした。