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Transparent lie


 ■ 2009/09/05 (土) 春夏秋冬


春夏秋冬張り巡らされたように
アンタの思い出に溢れているだなんて書いた気がするけど
嘘だった。

春夏………あと冬。
アンタとの思い出はほとんどそこに凝縮されていて
秋なんか…思い出せることは数えるほどしかない。

秋は俺の傍にアンタはいなかった。
アンタの一番がアンタの傍にいたからね。

一番の傍でバカみたいに笑ってるアンタを見るのが嫌だった。
……けど、どうしても目が離せなかった。

一番を待つときのアンタの必死さが笑えたからね。

四六時中寝てばかりのアンタが
ずいぶん朝から起きだして、身支度せこせこ整えて。
…俺なんてわざわざコンビニへ色つきのリップとやらを買いに行かされた。

コンビニから帰った俺は
白いドアの向こうにアンタと『一番』の声を聞いた。
…ポツリポツリしゃべる一番の声に対し
アンタの声だけがあからさまにはしゃいでて、うんざりした。

…あえて空気を引き裂くように、音をたててドアあけても
神経質なはずのアンタは、そんなことなんか気にならないと言わんばかりの上機嫌。

頼まれもんを差し出そうとした俺にアンタなんて言ったか覚えてる?

……「どうしたの?」っていったんだよ。

お前が頼んだんじゃねーかと…言ってやろうと思ったけど
ホントにすっかり忘れた顔で聞くから
今さっきした頼みごと忘れるぐらいに浮かれてんのかとか思って言い返せなかった。


…つかリップの出番もないくらいの綺麗な笑顔だった。


お払い箱になった俺とリップはとすごすごとその場を退散し
一番が帰ったころ、再びアンタの元へ帰った。

そのころには一番の魔法はとうに解けていて
残ったのは捨てられた犬みたいにしょぼくれたアンタ。

さっき渡し損ねたビニール袋をみると「遅い」と言われ、
腹が立って帰ろうとすると「もうちょっといれば?」って引きとめられる。

悔し紛れにささやかに抗議。
「…つまんないから、人恋しいだけっしょ?」
………どうせ代わりにしかなれないし?

最後の一言はみじめ過ぎて飲み込んだ。
そんな俺をみてやっと気付いたアンタ。

優しく髪をかき交ぜてフォローしてくれたよね。


『君のこと も 大好きだよ』って







・・・・・・・・・・・・・・・殺してやろうかと思ったけど。






お名前   コメント

栄人 由良さん>悲しくなんてなかったよ。わかってたことだから。 (09/09/11 00:44)
栄人 風来さん<思いとどまったわけじゃない。別にわざわざ殺す必要がなかっただけ。ただそれだけ。 (09/09/11 00:42)
由良 (も)かい!!!・・・哀しい。 (09/09/06 16:51)
風来坊 想いが強い程、哀しみが強い程・・・。思いとどまった様で、ヨカッタ。 (09/09/05 16:28)


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