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Transparent lie


 ■ 2009/07/26 (日) 僕の話。



僕が僕だったころの話。

今更思い出すのも億劫な、
それでいて忘れられるような思い出ばかりではない頃の話。

あの頃
僕は一番頭がおかしくて
一番僕が僕としてまともに機能していたと思う。

僕は頭がおかしかったから、
大事なものとそうでないものがわからなくなっていた。

今も確かにまともとは言い難いけど
あの頃より、感情のコントロールができるようになったと思う。

いや違う。
コントロールができるようになったんじゃなくて
感じにくくなっただけだ。

あの頃の僕の世界はあまりにも狭くて
自分の目に映るそれだけが、この世のすべてだと思ってた。

見るもの触れるものすべてが鮮やかで研ぎ澄まされていて
些細なことに傷ついて、あっけなく絶望した。

僕は人が怖かった。
自分ではないすべてのものが怖かった。
自分だけが誰よりも大事で、何よりも大切な自分を傷つける他者を許せなかった。

今はこんなで見る影もないが
僕は頭の回る器用な子どもだった。

人の気持ちを察して操ることに長けたところがあった。
そこそこの観察力と口車で、人に溶け込むふりが上手かった。

溶け込んだふりをしながら内心は馬鹿にしていた。
騙される相手をなんて愚かなんだと。
そして勘違いしていた自分は「特別」なんだと。

ある意味、幸せだったのかも知れない。
自分を奢り、相手を嘲笑する
その顔がどんなに醜いのかも気付かずにいられたんだから

しかし、突然、僕の世界に終わりが訪れる。
大切なものを見失い、ゴミ箱に捨ててしまってから
傲慢で愚かしいのは僕なのだとやっと気付く時がきたんだ。

僕は泣き、喚き認めなかった。
認めないと叫ぶ僕は、ちっぽけな世界にしがみつくあまりにも矮小な存在で
認めたくなくても、認めざる負えなかった。

僕は絶望した。
絶望して、死のうと思った。

……それでも、可哀想な自分を憐れみすぎて死ねなかった。

どこまでも僕は馬鹿だ。

今思えばあの時しかなかったんじゃないだろうか。
一番頭がいかれていて最低に無様なあの瞬間しか
僕は死ぬことなんてできなかった。死んでおけばよかった。

泣き喚きつかれた僕に訪れた新しい世界は
前のように鮮やかさや激しさはなかったけれど
どこまでも灰色で、穏やかさだけがある。

愚かさを失って僕は虚ろな屍になった。
屍は二度死ねない。

ぼんやりと今を過ごしている。
たまに死にたくなりながら。






お名前   コメント

栄人 めとろんさん<や〜だぁ〜めとろんさんたらぁ〜そんなこと言われるとあたし照れちゃうからぁwww (09/07/29 23:43)
めとろん 26日の2つの日記がアナタが凡人じゃない事を物語っています。表現力。掘り下げる方向。 (09/07/27 21:57)
栄人 続続めとろんさん<しかも平成生まれと比べられるほど若くもねーって。俺もまー吃驚するほどいいとこねぇな。でもま、死にたくなるだけで死にゃしねーから大丈夫ですよ。 (09/07/27 02:10)
栄人 続めとろんさん<昔はちっと賢かったんすけどね、今じゃ見る影もない。っつかいつの間にやら人の心の機微って奴にもとんと疎くなってww (09/07/27 02:06)
栄人 めとろんさん<ご長男って偏差値70の?御冗談をwww俺そんな頭良くないっすよ。 (09/07/27 02:05)
めとろん 私はずっと傍で見ていました。母親だから辛かったです。彼はもうダメという位置から起死回生しました。今人生が楽しいと言ってます。頭のいい人だもの、まだ道が、未知が有りますよ、きっと隠し扉が見つかりますよ。 (09/07/26 22:18)
めとろん 長男とそっくりな性格です。人を内心バカにしているところ、自分を大切にするあまり壊れたところ、繊細過ぎてどん底まで落ちたところ、その他・・・ (09/07/26 22:15)
めとろん 結構長文書いて返信したのにサイト側の規約を守って楽しい掲示板にしましょう〜みたいなページが出て書いたの全部消えました。なんで?? (09/07/26 22:13)


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