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Transparent lie


 ■ 2008/12/02 (火) 冬はダメだ。


頼んでもいないのに吐く息に色がつく季節になってきた。
冬はダメだ。イヤだ。嫌いだ。

そう大して長くもない僕の人生の中で
やたらとこびりついて離れない記憶が多い時期。

悴む指先や、頬打つ冷たい風、見上げた青空がやけに遠く感じるとき
だんだん短くなる昼間や、薄暗い玄関の重い空気を吸った時、
どんなに忘れようと思ってもアンタの顔が脳裏をよぎる。

あの頃の僕はまだガキで。どうしようもなく幼くて。
アンタがくれた優しさに馬鹿みたいにしがみついて
離れたくない。邪魔はしない。そばにいるだけでいいと
アンタに自分の気持を押し付けてることすら気付かずに泣きながら言い募った。

アンタはその綺麗な白い手で僕の頭をはさんでグシャグシャ撫でて
「私と同じぐらいの年になれば、笑い話になるよ」だなんて軽々しく言ったけれど
…嘘つき。アンタは昔から皮肉と嘘がとことん巧いね。
まぁ、だまされる僕も僕だけど。

あれから何年のかな?
今年であの時言ってたアンタの年には追いつく予定だけど…
…アレもまぁどこまでホントなんだか。アンタ年齢詐称ぐらい朝飯前だろう?

悔しいことに何度思いだしても、あの時みたいに涙が溢れるよ。
もう、僕は大人だから 声を張り上げて喚くことはできないけれど。
冷たい指が温かいものに触れたとき、
人ごみでアンタによく似た後姿を目にしたとき、
アスファルトに細長く映る自分だけの影を見たとき、

未だに どうしようもなく さみしくなって 
自分の部屋のパイプベッドに仰向けに寝転んで、嗚咽噛み殺しながら
気が済むまで泣くことがある。
今日みたいに。

それとも本当のアンタの年になれば、僕も笑うことができるのかな。


……どっちにしろアンタにとっては、どうでもいことだろうけど。




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栄人 風来坊さん>泣けば解決することなら、脱水症で病院担ぎ込まれるまで泣いてやってもいい…ぐらいには思ってるんですけど、なかなかどうして上手くはいかないもんすね。でも「いつかほんとに笑いたいね」って声掛けてくれた風来坊さんが、ホントに笑ってくれる日が来ることを僕も祈ってみます。(ま、僕ごときのお祈りで御利益あるか分かりませんがww) (08/12/03 23:34)
栄人 あ〜ぁ めとろんさん…うっかり書いて慌てて隠したの見つけちゃいましたねwwでも↑の想い出は、辛くて苦しくて歯痒くてイライラするけど…「嫌」な思い出じゃないんすよ。誠に何とも不本意ながら。。。いつか笑い飛ばせるぐらい強くなれる日がくんのカナ? (08/12/03 23:26)
風来坊 未だにどうしようもなくさみしくなって…私にもあります。泣いても仕方ないのにね。いつか本当に、笑いたいね。 (08/12/02 19:21)
めとろん >思い出したくないほどマジで嫌なことは日記に書かない派なんだ・・・書きましたね、嫌なことじゃないとしても核心ではある。大人ではありますがまだ十分というか不十分なほど若いです。まだまだいろんな事がやってきますよ・・・少しずつ強くなれたらいいな・・・ (08/12/02 18:38)


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