Transparent lie

・・・ネェちゃんが立っていた。

ちなみにデリヘルではない。
実姉。信じたくはないが、たぶん血もつながっている。

姉は、ネギが突き出たスーパーの簿袋突きつけて
開口一番、俺にこう言った。　

　「　寒　い　日　は　鍋　に　限　る　わ　ね　。」

かくして今夜の鍋パーティ（参加者：俺と姉のみ）が強制執行された。

常々、ドアを開けるときはチェーンを忘れない俺なんだが、
まさか出がけに捕まるとは。

山でばったり熊に出会った人ってこんな気持ちなんだろうなとか考えてたら
ずかずかと侵入し、あまつ台所からコンロを引っ張り出されていた。
この人は基本こうだ。

一応、家主としての権利を守ろうと
「突然はやめてよ。誰かきてたらどうすんの」と反論してみたものの
「誰が来るの？アンタ友達も恋人もロクにいないでしょ」と返された。

…悔しいことに反論できない。

そして、コンロをセッティングしたら　
「手伝いなさい」とマナ板と包丁を突き付けられた。

そっから先は、手伝うというか・・・・最後の雑炊まで俺一人でやった。

んで今、皿洗って片付け終わったとこ。
ねぇちゃんは食うだけ食って満足したらしく帰って行った。
「私　明日、早いのよ！！」というセリフだけ残して颯爽と。

…つかれた。これだから「ｷｮｳﾀﾞｲ」ってやつは嫌だ。
小さいことからの性格、思考回路、遍歴、黒歴史もろもろの弱みを知ってる上に
親より長生きときている。最悪だ。

はぁぁぁ。
ってか俺も明日早いんだけど。。。