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なんとなく・・・。


 ■ 2008/02/12 (火) vol 14 「異界」


思い出は美化されたかと思うと、そのうち忘却の彼方へ

昼過ぎまで寝て、起きるとゲームばかりして

食事もまともにしないようなおとこは

ただ、ただ 過ぎる日常と戦っていた。

労働意欲は全くない。今年の5月に27歳になった。

ネットで「数字殺人」をチェックするのも日課になっていた。

「なぜ?順調に数字は増えていたのに、急に1からはじまったと思ったら、100もいかなかった。」

「殺人者がもう一人増えたけど、殺されたってこと?」

引きこもりだが、天才・・。ってタイプである。

「それに、殺人のペースがなるべく週1回にしようとしてる感じだね。」

「たまに、まとめて殺してるけど・・・。」


「コウタちゃん〜。ご飯たべなさい。」

ママのおでまし。


「あ、部屋の前に置いておいてよ。」

「はーい。」

コウタはかれこれ2週間は外出していない。

たまに外に出る時は図書館にしかいかない。しかも自転車で。


「おい、お前も殺してみるか?」

突然男の声が耳元で聞こえる。

「な!」

幽霊みたいな男は、パソコンのモニターに映った。

声は耳元から聞こえるのだが・・。



コウタは一瞬驚いたが、すぐに存在を受け入れた。

コウタの左肩に焼印が浮かぶ。


「ねえねえ〜。どっかいこうよ〜。」

「どっかいこうか!」

「なによ、なんか適当な返事ね。」

まだ、学校は夏休みだったが、じゅんは自分のアパートに戻っていた。



「友達のナミちゃんは彼氏と旅行行ったって!」

おんなはそういう言い方が好きだ。

じゅんは考えていた。赤ん坊にしたおんなのことを・・。

「アイツ、成長したら 何歳からチカラを使うだろうか?」

じゅんは殺してしまったほうが良いのかもしれないと思っていた。

しかし、無駄にじゅんは人を殺したくない。

「犠牲者よりもあのおんなの方が命が重い?」

じゅんはジレンマにかられていた。

「もっと、冷酷に殺すべきなのか?」


「なにボ〜っとしてるの?」

みゆはじゅんが考えている間も話し掛けていた。

「ご、ごめん・・。なんだっけ?」

「もう!」


コウタはすぐさま母親を殺してみた。





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