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なんとなく・・・。


 ■ 2008/01/31 (木) vol 11 「誕生」


じゅんがチカラを使う時

数字が浮かぶ

何人殺さなければいけないか?


じゅんの掌の「数字」が2減る。

じゅんはアパートの呼び鈴を鳴らす。


「はい・・・。どなたですか?」

おんなの声だ。

ワンルームと思われることから、一人暮らしだと悟ったじゅんは

話す。

「数字をお届けにきました。」

「あなただれ?」

すぐに玄関が開く。

出てきたのは20歳前後の綺麗な女性だった。

「むやみにチカラを使うな!」

じゅんは興奮を隠せない。

「いいのよ。この能力はすばらしいわ。」

即座におんなはじゅんを殺そうとした。

「どうして?死なないの?」

じゅんは先に「数字」の能力では殺されないようにしていたのだ。

「いままで、どういう願いを叶えた??」

「あなたが先にチカラを持った人ね。」

「あなたも殺してるじゃない?」

「わたしに使うなって?言えるの。」

じゅんは少しの間黙って・・。

「僕はむやみに使わない。仕方なく・・・。」

「このチカラで、嫌いな人を殺すの!」

「いいじゃない!」

じゅんはおんながどういう別のチカラを持っているか、警戒していた。

「どういう願いを叶えた?これ以上は使うな!」

「願い?叶えたわ、嫌な奴を殺せたわ!」

「殺しを叶えた・・・?」じゅんがつぶやく・・・。

「念じて殺すだけか?」

「そういうチカラでしょ?すばらしいわ!」

じゅんのチカラとは少し違っていた。

じゅんはこれで、殺されることはない。少し冷静に戻った。

「あなたをなぜ殺せないの?」

「僕は殺せない!」

じゅんはチカラを使うことは不本意だが、おんなが「数字」を見えないようすること

と、おんなの記憶を消そうとした。

「それはできないな・・。」

あの男が現れた・。

「わたしがそれはできないようにしてある。」

「おんなをチカラで殺すこともできないぞ!」

「おい、お前!なんでこんなチカラをあたえるんだ!」

「何が目的だ!」

「ふふふ・・。それは言えないがな!」

「このおんなはお前よりも殺してくれるぞ!」

じゅんは今まで考えていた、この幽霊みたいな男は能力を与えることはできるが、

人を直接殺すことはできないのではないかと・・。

「殺してくれる」という言葉で確信した。

「わかった・・。」

じゅんがこういうと、おんなの姿が消えた。

「か、考えたな・・・。」

幽霊みたいな男はにやりと笑い・・・。

男の姿も消えた・・・。

じゅんの掌の数字が「3」減っていた。

おんなは姿を消したのではなく、赤ん坊まで戻っていた。

じゅんは同時にこの一見の目撃者やじゅん達の声を聞いたモノの記憶も消したのだ。

「申し訳ない・・・。」

じゅんは赤ん坊を抱き上げた。

「この状況を整理するのにも、まだ殺さなければならないのか・・・。」

じゅんは自分を殺したかった。

じゅんは包みこむように、赤ん坊を抱きしめた。

命は暖かい。

いとおしい。




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