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なんとなく・・・。


 ■ 2008/01/24 (木) vol 9 「記憶」


「そういえば・・・。じゅんちゃん前に変な電話してきたよね?」

「え?」

焼印ができた時、じゅんはみゆに電話をしていたのだ。

「あれって、なんだったの?」

「うん・・・。」

じゅんは返答に困っていた。

「それに、その掌の数字は・・・。」

みゆは気が付いていた・・・。

「みゆ、ごめん・・・・。」

「え?」

みゆの顔がこわばる・・・。

じゅんの頬にに涙が流れていたからだ・。

「みゆ、よくきいて・・。」

「う、うん。」

「僕を信じて、このことについてはそっとしておいてほしい。」

「ごめん。」

「な?なんで、あやまるのよ。」

じゅんは以前、電話で焼印のことをはなしてしまったことを後悔していた。

あれから、家族の死や受験のことなどがあり、みゆはしばらく電話のことを忘れていたのだが、

環境が落ち着き始めたことや、じゅんとの関係が以前よりも深くなったことで

細かいことにも目が向くようになっていたのだ。

「わかったわ、話せるようになってから教えて。」


じゅんの思考は複雑に脳内を駆け巡っていた。

すると、掌の「数字」が減った。

みゆには、いや、じゅん以外の人間にはもう数字は見えない。

じゅんは現実から逃げたのだ。

「こんなことで命を奪うなんて・・・。」

みゆはもう電話したことすら憶えていない。

夕暮れ、1つの影が部屋にゆれていた。

他を犠牲にしても、みゆを守りたい。

みゆを愛していたい。

他を犠牲にしなければ、生きられない。

わりきらなければ生きられない。


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