明暗くっきりとはこのことだ。2年振りの優勝を決めた阪神の岡田彰布監督(47)と、 たった1年で解任された楽天の田尾安志監督(51)。2人の命運を分けたのはなんだったのか――。
●適材適所を見抜く能力 岡田監督が冴えていたのは5番に今岡を据えたこと。今岡は不動のトップバッターとして
03年の優勝に貢献。打率3割4分を残し、首位打者に輝いた。
「これだけ結果を残した1番打者を5番に起用するのは、勇気がいる。並の監督なら失敗のリスクを考える。
しかし、岡田監督の野球理論によると、5番打者はどの打順よりも制約が少ない。チームで一番ノビノビ打たせて
結果を残せる選手が今岡であると判断したのです。結果はドンピシャ。岡田監督の慧眼(けいがん)です」
(スポーツジャーナリスト・小川勝氏)
一方、田尾監督は選手起用で揺れ動いた。象徴的なのが一場の起用で、先発、中継ぎ、抑えとクルクル変えた。
コーチが「若いんだから、育てるつもりで、打たれても先発で使い続けましょう」と言っても聞き入れなかった。
「中盤以降になって、先発に固定したら、成績を残した。三木谷オーナーが田尾監督を見限った理由の一つが
一場の起用法とされています」(スポーツ紙記者)
●聞く耳を持つ 今岡を5番に起用した岡田監督だが、2番には若い鳥谷を起用。これは正田打撃コーチの進言だった。
「当初、岡田監督は鳥谷起用に反対した。正田コーチが『ダメなら戻せばいい』と食い下がり、聞き入れたのです」
(小川勝氏)
正田を信用した岡田監督に対して、田尾監督はヤクルトから引っ張った松井ヘッドコーチとの関係がギクシャクしていた。
「ヤクルト出身の管理部長とともにヤクルト派閥みたいなものまであった。後任監督はシダックスの野村監督が
有力視されていますが、だとすると、田尾監督は野村監督を迎え入れたいヤクルト派閥に追い出されたようなものです」
(楽天事情通)
●気配りがアダ 楽天はポンコツ選手の寄せ集めだったが、「田尾監督はそうしたベテラン勢に気を使いすぎていた」
との指摘もある。
投稿者 : 記入なし 日時 : 05/10/01 10:37