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ボロクソ駄目日記


 ■ 2010/03/01 (月) チンミ


船員「搭乗券をお願いします・・・」
港町サンマリーノで最後の乗客の確認をした、赤いチャイナ服を来た青年が船員に搭乗切符を見せると、船員は千切って半券を渡す
船員「搭乗者はこれで全部か?」
確認の為辺りを見回す、誰も搭乗客がいない事を確認すると仲間に合図を送る
船長「前進」
合図を確認した船員が船長に確認を告げると船は動き出した、見る見るうちに港から遠ざかって行く、赤いチャイナ服を来た青年=チンミがデッキの上から外を見渡す
チンミ「ようやく、目的地か・・・」
遠ざかって行く港を眺めチンミは呟いた、大林寺建立100年目に現れ大林寺拳法を極めるという、「拳精」をさがす旅をしていた大林寺の老師に見出された、チンミ、入門後、様々な試練や深山行での修行や強敵達との闘いを通し憲法家としての才能を開花させた、次第に大林寺のワクに収まりきれなくなり、東林寺のヨーセン道士の弟子になる。しかし、修行中にヨーセン道士は危篤に陥いてしまうが、通背拳を伝授され体得するのだった。ヨーセン導士の死後大林寺以外の世界を見るため旅にでたチンミは、ここライフゴッド大陸での旅を終え、次の目的地を目指そうとしたのだが
天候が荒れ、1ヶ月も街へ足止めを喰らう事になった
チンミの傍らにいた猿=ゴクウが何やら頭上を指差した、見ると白いリボンの付いた麦わら帽子がマストの枝に飛掛かっていた
女の子「あたしの帽子ー!」
見ると5歳位の女の子が母親の手を握りながら泣き喚いていた
母「諦めなさい、帽子なら買ってあげるから」
諭すが女の子はあの帽子が良いと言って聞こうとしない、チンミがマストを覗いて見ると、帽子は帆の端に飛掛かっていた、高さは優に10メートルはある
チンミ「よし!」
意を決してチンミは登り始めた
       *
「北3時の方向だ、間違いねー」
男が双眼鏡を仲間に渡す
「どうする?」
後ろにいたもう一人の男が仲間に尋ねた
「決まってるだろう・・、おい下にいる奴等を起こせ」
     *
船室では船長が船員に航海チェックの指示を出していた、テキパキと船員達が動き回る
船長「ふむ、静かな生みだな」
船員「はい、一月前の嵐とは思えない光景です」
海は穏やかな静けさを保っている
船長「このまま、穏やかに進航してくればいいが・・」
戦争の影響か海域周辺には客船を狙う海賊の姿もすくなくなかった
船員「心配はいりませんぞ、船長」
船長の後ろに高級なスーツに身を包んだ男が現れた
船長「スターリンさん」
スターリン「この海域は連合国と帝国の中立地帯、それに我が財閥が組織する施設警備団がこの海域を厳重に警備しています、それにこの船は我が財閥が『旧世紀』より受け継いだ技術を搭載しています、いかに海賊といえど近寄れますまい」
船長(だと、良いが・・・)
正直な所不安を隠せない、確かにこの海域は中立地帯なので敵の砲撃を受ける事は無く海賊やモンスターや功性生物達の襲撃に備えスタリーン財団の私設警備団が警戒網を張っている、しかし、この客船に関して腑に落ちない事が幾らかあった、それはこの船の処女航海と称した軍事的な介入である、スターリン財団は世界でも有数な兵器会社だ、故に死の商人とも呼ばれている、軍事大国パラメキアに対して連合国側は兵力差に置いては帝国軍に勝っては居る者のの旧世紀の技術を元にした兵器群を有する軍事大国パラメキアに苦戦を強いられていた、連合国側において敗因を決していいのは遺跡の確保やパラメキア周辺にしか存在しないとされるミスリルの存在が挙げられた、そこでスターリン財閥は自分達が独自に所有する『旧世紀の』の技術を連合軍側に売りつけた、戦況を奪回するためにも連合軍側はスターリン財団の申し入れを考案するに至った、つまり今回の処女航海は商品公開でもあるのだ不満はそれだけではなかった、船内に配備されている警備兵は全て機械である、人間を戦場や危険地帯に送り込む事よりも機械を使った方が良いとの事ではあるが如何なる場合を持ってしてもモノを言うのは人間の知恵だ、感情の無い機械達に船の安全を守らせるのは些か不愉快だった・・・そして彼の不安は的中する事になった


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