U_sanのいいんですよ。それで。

ご家族がやってきた。
食事の介助をしにである。
なにか焦っている？
おかしい。
落ち着きが感じられない。
挨拶をするとじっとこっちを見つめる。
思い詰めているかのような。
帰り際に声をかけた。
堰を切るように話し始めた。
衰えていく恐怖。
筋肉がやせ衰え、皮膚はボロボロ。
眠っている時間が長く
話しかけても反応に乏しい。
身体中が痒く
もがくようにうごめく。
死が近づいている。
食事量も徐々に減って
これ以下には下げられないというところまできている。
そのことに耐えられない。
どうしたらいいかわからないという。
感情が爆発したようだ。
僕に話してもらったことがすごく嬉しかった。

はなしはかわって
先ほどの入居者とは別の家族がきた。
食事の介助にである。
「今日はいい感じですよ。」と話しかける。
「そうだろうね。私もそう思う。」と答えられる。
こないだ調子が悪かったのは何故なのか二人で考える。
薬のせいだと思っているらしい。
そのことをナースに伝えるも
何も対応してくれないという。
愚痴が流れる。
介護スタッフが薬がどうこうナースとやりあうことはない。
そのことをわかって僕に話す。
僕に話してもらったことがすごく嬉しかった。

今回の二人は、僕がそれらを解決することなど
はなから期待していないだろう。
ただ話してくれただけだ。
何の役にも立たないが
いずれは役に立ちたいと思うから
話してくれることはありがたいものである。