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なんくるなるさぁ〜!


 ■ 2004/11/27 (土) 次の天職へ向かって 2


研究者の夢が破れたとこと。
実はこのことは私の中にずっと今も引っかかっています。
教員が「非常勤」という中途半端な立場であり続けたことも、
このことがずっと心の中で引っかかっていたせいかもしれません。

私が教壇に立っていたのは高校でしたが、
何か自分でしっくりしていなかったんですね。
友人たちには「高校生より、中学生や小学生の方があっていると思うよ」と
よく言われましたし、今も言われます。
でも私はより大人を相手に話したいという思いがずっと強くありました。

私が研究していた分野で日本の大学で教壇に立とうとすると、
まずはアメリカへ渡ってPh.Dを取ってくる必要が最低限あります。
つまり留学をする必要があるわけです。
残念ながら私は語学が弱く、研究者の道を断念せざるを得なくなったのも、
語学のみの入学試験にパスすることができなかったからなのです。

「教壇に立つ」という夢は叶いましたが、
何か自分の中では中途半端に叶ってしまった。
そして雇用状態も中途半端。何もかもが中途半端でした。

それでも高校の教員の採用試験はずっと受け続けました。
しかし採用人数は私の専門科目で年に1人いればいいという感じです。
受験者数の数がそのまま倍率になります。
もちろん優秀であればテストでまず好成績を挙げればよいのですから、
問題ないように思われるかもしれませんが、
教員の採用試験ほど曲者の試験はありません。

まさしく落とすための試験ですから、
受験勉強をしても大半は役に立ちません。
そんなことを知っていても何の役にも立たないようなことを
知っているかどうかが問われるわけです。

もちろん対策用の問題集などがたくさん売られていますが、
はっきり言って役に立ちません。
この採用試験ほどまじめに勉強して報われない試験もないでしょう。
たぶん合格できるのはよっぽど運がよかった人だけという感じがします。
それともよっぽどの偏屈か、
重箱の隅をつついたようなことまで知っている超物知りの人かどちらかでしょう。

この試験に合格して教員になった人が本当に教員として適切かといえば、
私には怪しいとしか言いようがありません。
この試験に通った人が教員をしている現状を考えれば、
当然不祥事が起きても不思議ではないと私は思うのです。
もちろん私の仲間にも教員をしている私よりも情熱のある人間もいますから、
全てが全てではありませんが、
この採用試験のあり方が今の教師の様々な問題を生み出す元凶になっているように
私には思えてならないのです。

ただでさえ難しいし試験です。
心のどこかで引っかかったまま受けても受かるわけありません。
中途半端な「非常勤」生活が続いてしまったのも、
元をたどれば夢が破れたことに帰着するのかもしれません。

どっちつかずのままずっといましたが、
いずれはこの「非常勤」の職でさえも、
辞めなければならない時が来ることはわかっていました。
「自分が本当に打ち込める職ってなんだろう?」
「天職ってなんだろう?」
「自分は一体全体どうしたいのだろう?」
ずっとずっと探し求め続けました。
ずっとずっと探し求め続けて、結論が出ずにリストラにあいました。
この答えが出るまで時間がほしかったというのが本音です。
これのことは以前の日記に書きましたね。

それでもどっちつかずの中途半端な状態を終わらせる、
大きなきっかけにリストラはなりました。
クビにならなければまだまだ中途半端でいたと思います。
今が中途半端でないといえば嘘になりますが、
もう一度白紙にして考えることができるきっかけになったとは思っています。


私の勤めていた学校は私学でしたから、
何十年も勤めあげる方がいらっしゃいます。
幸か不幸か65歳で定年になった方と組んで教えていた時期がありました。
彼に自分の未来を重ね合わせました。
教員同士の足の引っ張り合いに最後の最後まで関わり続けていました。
打ち合わせで話しにいくと聞かされるのは陰口ばかり…。
新しい教え方にチャレンジすることもなく、
何十年も前に自分で作った板書ノートと試験問題を使いまわす教員でした。

定年を迎え、翌年は私と同じ非常勤で教壇に立ちましたが、
非常勤になったとたん専任達は彼を無視し始めました。
大先輩ですら無視です。もちろん話をしないという意味ではありません。
我々一般の非常勤と同じ扱いになったということです。
そして一年後には彼は辞めました。

教員は子供たちに夢を与える職業だと思うのです。
その教員が自分の未来に希望が持てない状況におかれていること、
同じ毎日の繰り返しを何十年としていくこと、
これは本当に教員自身はもちろんのこと、何より子供たちが不幸です。

今にして思えばこのことに気付いたとき、
この学校を今度クビになったら教員になるのはもう辞めようと決めたのだと思います。
そのためリストラ宣告を受けてから、
もちろん時期も遅くなっていたのですが、他校を探すことはしませんでした。


今回で話したいことの外堀が埋まった感じがします。
返信してくださった皆さんの言葉の中にはまるで私の内側を
ご存知なのかとも思われるような言葉をくださる方がいらっしゃって、
びっくりしている部分もあります。
それがどのことなのか次回あたりからお話できると思います。

それからこの日記の仕組みを詳しくご存知の方にお聞きしたいのですが、
この仕組みは同じ日に2つ以上の日記を更新することはできるのでしょうか?
「次の天職へ向かって 2」を今回書いていますが、
次回「3」を今日中に書いてしまうと上書きされてしまうのでしょうか?
ご存知の方はぜひお教えください。よろしくお願いします。


お名前   コメント

なんくるなるさぁ〜 幸運を祈るさん>そうですね。探しませんでしたね。 (04/11/28 00:07)
なんくるなるさぁ〜 大人の少年さん>上書きされないんですね。今回は試せませんが、安心して書いてみます。ありがとうございます。少子化が進み、ますます私学は企業化していってしまっていますね。もっと独自色を出していけばいいのでしょうが、勤め先は受験校かをさらに加速させようとしていました。残念なことです。 (04/11/28 00:05)
幸運を祈る それでもう探そうとは思わなかったのですね。 (04/11/27 12:19)
大人の少年 自分の利益追求のみを求めるがゆえに他の人を蹴落とすようなことをするのはきわめて遺憾ですね、特に学校であるならば、生徒にも間接に影響しかねませんね、これでは企業が利益のみを追求して、その後の社会への影響など考えないのと同じですね・・早く新たな道を歩んでくださいね。日記は日に2回更新しても上書きされる事はないと思います、既に日に2回更新している人もいますよ〜。 (04/11/27 10:27)


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