日記HOME TOP タイトル一覧 月別 


不信のとき

Author:伊藤 博文 ( Profile )
心に愛がなければ、いかなる言葉も相手の胸に響かない。
    〜聖パウロの言葉より〜

 ■ 2016/01/30 (土) 海戦


しかし「デバステーター」雷撃機のこの犠牲は、おもわざる成果をあげていたのだ。
戦闘のまっただなかで、これらの機は、おそるべき零戦を海面すれすれにまでひきよせ
これによって日本空母の上空をガラ空きにし、爆撃機の攻撃に絶好の機会をあたえたからである。
米雷撃機を追い払おうと戦っているうちに、日本軍は空を見上げるのを忘れてしまった。高い雲のかげにかくれて、雷撃機のあとについてきた急降下爆撃機が近づいていた。

このときマクラスキー大佐は、眼下にかすかな一本の白い筋を発見した。
日本駆逐艦の航跡である。さらに断雲の下から三隻の大艦がすべりだしてきた。
小さい炎とこまかい点々が、その周りに見え、攻撃をうけていることがわかった。
操縦席からじっと目をこらした。空母「加賀」「赤城」を先導する「蒼竜」が確認できた。そのうしろの「飛竜」は雲にさえぎられてまだ見えない。
               ・・・「ミッドウエイ」

この日の功労者はウデヘルム少佐のひきいた編隊だった。
わずかばかりの護衛戦闘機は「隼鷹」の零戦と交戦してやられてしまった。
かれは前進をつづけ、ついに「翔鶴」といまなお炎上中の「瑞鳳」とにめぐりあう幸運をつかんだ。零戦が襲いかかってきて、ウデヘルム機は海上に不時着水した。ほかにも
「ドーントレス」一機が撃墜され、二機は損傷をうけて帰途についた。
しかしJE・ポーズ大尉にひきいられた残りの飛行機は「翔鶴」上空にたどりついた。
猛烈な砲火をくぐりぬけて450キロ爆弾三発を命中させた。
               ・・・「サンタクルーズ沖航空戦」

午前9時29分、後日「こんどこそわたくしも泳がなければなるまいと覚悟した」と回想したクリフトン・スプラグー提督は日本艦隊が急に反転、北方の煙霧のなかに消え去るのを見た。「わたくしは自分の目を信じられなかった。わたくしの戦闘ボケした頭脳はこの事実がすぐには理解できなかった。」
               ・・・「レイテ」











お名前   コメント



[前] 喧嘩しないで暮そやないか。 | [次] サライ・酔人・モノローグ


不信のときTOP

タイトル一覧 月別