転職活動日記

　どうも最近、人様の書いたことを否定して回ってるみたいで嫌なんですが、片端ながらメディア側で働いている人間として、訂正せずにいられない。

　世の中は「負け犬」の使い方を間違ってる!!!

　それというのも、「負け犬の遠吠え」という本を正しく紹介せずに、読んでない人達に向かって、負け犬という単語の負のイメージだけとりあげてメディアがアホな特集をガンガン打ってるせいであるよ。(今、メディアは、とにかく人を不安にさせる方向で人をひきつけようとするのだ。それに乗ってはいけないよ。)
　30代独身、子なし女を負け犬って呼ぶなんてヒドイ!!!とか、人間を犬に例えるなんてヒドイとか、怒る所じゃないんだ。で、また怒った人は絶対本を読まないから余計におかしな広まり方をする。まぁ大体、最近、本は読まれないけどな。
　大体あれは、他人に向かって使う言葉ではなく、自分に向かって使う言葉なのだ。
　定義はどーでもいーけど、とりあえず30代独身、子なしの自分を負け犬って定義することにして、話を進めましょう、自分のことを負け(犬)って言っといた方が実際、楽なことも多いのだし。それで平和になるならそれでいーじゃん。というのが本当の負け犬の定義だ。本来は30代独身女性がちょっと楽するための処世術のことなんだよー。
　そして負け犬の遠吠えとは、負け犬と自分を卑下しつつ自慢するという高級技のことだ。だから、テレビで紹介される自称負け犬達が、自立してカッコいいのは当たり前なんであるよ。
　今、流行の勝ち組と負け組と混同するから(メディアはワザと混同させてるんだが。)、負け犬がおかしな広まり方をしちゃったのだ。まぁ、メディアは最近、とにもかくにも「民衆を不安にさせること」に情熱を傾けてるので仕方ないんだけどね。
　だから負け犬だって強く生きてるとか、明るく生きてるとか、負け犬と言われても頑張ってみたいなのに素直に反応するのは30代独身女性としてはとんちんかんな反応です。
　そういう感想は、30代独身女以外の人に思わせなくてはならないのです。

　大体勝ち組・負け組っていう、典型的なパワー動機幻想で人を二分化するのも馬鹿らしいんだが。
　大体日本人は、パワー動機(人より勝ちたいっていう欲求)より、親和動機(人と仲良くしたいという欲求)の強い人のが多いと思うよー。パワー動機と親和動機は一緒には成り立たないよ。だから勝ち組・負け組幻想は馬鹿らしい。親和動機が本当に捨てられるなら、パワー動機で生きてもいーんじゃないの？ってカンジ。(あ、負け犬って親和動機発想だな、そーいや。人と仲良くするために負けって先に言っときましょうって発想だから。)

　まぁそーいう意味で、「負け犬」ってのは私みたいな女が使うための言葉なのである。
　なんかがむしゃらに突っ走ってる間に、気がつくと仕事(スキル)もあるし、経済力もあるし、趣味もあるし、美味しいものも食ってるし、一人で生きていけるようになっちゃったよー、みたいな(そーいう時期に突入する頃、大体30歳過ぎている。)女が(自虐)ネタとして使う言葉を言うのである。
　負け犬って単語を使って、全然平気、ネタが増えていいなぁと思ってる、ちっとも心痛まない、むしろ使って元気になるような女が使うための言葉なんであるよ。だって自分に向かって使う言葉だから。
　だから、負け犬って言葉を聞いて、使って、ダメージを受けるような人は絶対使ってはいけません。言葉には言霊があるからね〜。
　負け犬という単語を堂々と使いこなせてこその負け犬です。もー、私なんか全然後ろめたくなく、使っちゃうもんねー。私は昔から、30代独身女に凄く憧れてたので、30になった時、凄く嬉しかったです。これで、自分に向かって、嫁にも行かずとか、いい年からげてとか、負け犬街道爆走中とか自称しても「箔がつく」ってものじゃないですか。堂々と自虐ネタが使える。なんて素敵!!!

　ついでに私は大人ってのは、若い子に恨まれるものだと思っております。私の世代が学生の頃(私は、就職氷河期２年目が短大卒業で社会に出る二十歳。)、就職が楽だったバブル時代の人の悪口を散々言ったように、25過ぎた女性のことをクリスマスがどーたらとかお局がなんたら言ったように、今、30代前後の就職氷河期と言われてもぎりぎり努力と根性があればキャリアをつむか、事務職に正社員で入れて(今は事務職正社員で入れないからねー。)、普通の事務員でも、自分でマンション買えちゃったりして、自分の金で好き放題に遊んできた負け犬世代が、仕事がなくてお金がなく、遊べない下の世代に恨まれるのは当たり前です。
　我々負け犬世代より5歳下のオンナノコ達が、どれだけ「正社員」になるのが難しいのか、自分の稼いだ金で遊んで教養を身につけることがどれだけ難しいことなのか、世の中見てりゃ分かるでしょう。うちの会社なんか、私より下のオンナノコは派遣さんかバイトさんしかいない。その子達は収入が少ないから、美味しいものも食べられないし、海外旅行にも行けないんだよ。
　バブル世代が、団塊の世代の悪口を言い、バブル世代の悪口を、我々負け犬世代(ぎりぎり仕事と結婚のどちらかを選べた世代、と私は定義する。私より下の子達が30になった時、選択肢に仕事がなく、結婚しかないケースは多いだろう。)が、今の負け犬世代よりずっと結婚が早いだろう若い子達に、結婚もせずに会社にしがみついて、ジャニーズの追っかけとかしちゃってみっともなーい!!!!と言われるのは当たり前。っていうかそれが大人の仕事。順番に回ってくる仕事っす。年なんか誰もが取るんだからそれ自体(年齢)を卑下する必要はない。
　本音で言うと、ご馳走がファミリーレストランで早く子供生んで自由がなく、遊びを知らない若い子達のことをちっとも羨ましいとは思えないんだけど、はいはい若い子は羨ましいね〜と言ってあげるってのも大人の仕事。それが負け犬の遠吠えなんですよ。つまり自慢です。自慢なんですよ。皆さん!!!　そこを相手に自慢と取られないよう、むしろ同情を引くように言うのが、高級技なのです!!!

　例を出しましょう。
　結婚した子持ちの友達(＝勝ち犬)に、
　「そろそろあなたも、ご飯を作ってあげる人を作らないとねぇ。毎日一人で食事なんて淋しいでしょう？一人で女がお店で食事するってのもみっともないし。栄養も偏るしね」
　と言われ、
　「確かに外食が多いけど、食費が家族で月に三万円で、スーパーのチラシを毎日追っかけてるあなたと違って、私は高くて美味しいもの食べてるもん!!!
　この間も、同じ独身友達と雑誌でいつも紹介されてる南青山のラ・ベルデ(仮ね、仮)で、5000円のランチでビンテージワイン一本空けちゃったんだから!!!」
　と言い返したら、当たり前ですが臨戦体制になりますね。
　そこを、
　「ほんと、私はご飯作ってあげる人もいない負け犬だから、一人だとつい外食続きになっちゃってほんと駄目よね〜。
　この間も同じ負け犬友達と一緒に、二人で雑誌見てたら急に思い立っちゃって、真昼間から南青山のラ・ベルデで、5000円のランチとビンテージワイン二人で一本開けちゃったのよ〜。その後、バーゲン会場に向かっちゃって、大散財しちゃった!!!
　いやぁね、負け犬のやることといえば、みっともなくって。あなたが羨ましいわ〜」
　とかなんとか言えば、平和に、しかも同時に(凄腕になれば、相手に自慢とは悟られずに)自慢が出来る訳です。これが高級技、「負け犬の遠吠え」です。馬耳東風と並んで、30代独身女性がぜひ身につけたいテクニックの一つです。
　自慢してるんだけど(相手を馬鹿にしてるんだけど)、「カワイソウな30代独身女も明るく頑張ってるんだ〜」と周りに思わせることが出来たら、なお成功です。

　勿論、30代女性で、仕事も結婚も選べなかった…、という人々が大勢いることも分かってます。
　しかし結婚にはどうしても希望がもてない……という30代独身女性が、目指すべきライフスタイル、それが「負け犬」なのでございます。
　あぁ、私は「負け犬」になりたい。

　また、転職とか無職に関係ない話を長々とすいません。