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独身中年・最底辺の日々


 ■ 2014/02/15 (土) ある浮浪者


かつてまだ多少金回りがあった頃、休日の度に訪れていた隣県の盛り場がある。

今はかなり健全化されて界隈に怪しい雰囲気はほとんど見られない。

だが、当時はかなり混沌とした薄汚い雰囲気が蔓延していた。

100%違法なピンサロ点がそこかしこのビルに跋扈し、立ち飲み屋ではム所から出てきたばかりのオッサンやチンピラが素人客相手に絡んで警察を呼んでいる。
路上にはトラブルを求めてたむろする、イカれた目をした若者の集団・・・。

そして、深夜になると・・・どこからともなく現れる浮浪者。
アーケード内のシャッターが閉まった店舗の前に段ボールを広げ、何のてらいもなく寝転がっている。さながら何処かの被災地のようだった。

そんな中、一際異彩を放つ浮浪者がいた。

小太りな婆さんだが、何故か日中からアーケード内に立ち、誰に叫ぶともなく訳の分からない怒声と説教を延々と続けているのである。
気が狂っているのか正気なのか・・・今でも分からない。

だが、普通にコンビニで買い物したり、マックで食ってたりしていたから金は持っていたのだろう。だが段ボール民だった。

・・・今はもう、その街にそんな浮浪者の影は見当たらない。
健全化された街は、むしろ不健全な気すらする。
いや、健全化されたわけではなく、さらに深部に紛れ込んで一般人の目に触れなくなっただけなのかもしれない。

今の世の中、暗部を見せようとせず、とにかく隠蔽しようとする。
だから穢れたものに対して免疫が無くなり、歪な純粋まっすぐ君ばかりになってしまう。
世の中なんて薄汚いものばかりなのに・・・。

・・・それにしても、あの婆さんは何を叫んでいたのだろうか?
世の中に対する憤懣か?自身の境遇に対する怨念か?

私の末路も、いずれはそうなるのかもしれない。


お名前   コメント

ぶりぶりうんこまん 素晴らしい慧眼と表現ですね (14/03/24 18:19)
やさぐれ 不滅の最底辺さん、上辺の目に見える部分だけ綺麗に見せようとしても、その内部は腐りきって腐敗臭がしている現実ばかりですね。 (14/02/17 03:49)
不滅の最底辺 日本の近代史を紐解けば純粋な日本人であっても声無き叫びが世論操作によってかき消された事例が数え切れないほどある。体制を繕うために臭い物も邪魔者も排除したいのだろう。いずれ淘汰されるなら望むところだ。 (14/02/15 13:47)


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