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爺放談


 ■ 2009/09/20 (日) 愛と青春の旅立ち・・・・・I


彼は意を決して扉を開きました。


「いらっしゃいませ!」

「あら〜××様!お久しぶりです!どうぞこちらへ^^」


ママはいつもの様にテーブルに案内してくれました。


「あれから来られないから心配していたのですよ!でもお元気そうで安心しましたわ^^」

「すみません!ご心配をお掛けして」

「いえ、お仕事の方が大変だったのでしょ?」

「は・はい!そうなんです!今僕のプロジェクトが推進していてなかなか時間の余裕が無くて」

「まー!そうなんですか!それは大変ですが良かったですね〜!遣り甲斐がありますものね^^」

「はい!だからなかなか来れなくてすみませんでした」

「そんなことはお気になさらないで、それよりお仕事頑張ってください!私も応援して差し上げますわ!^^」

「ありがとうございます」

「それでごめんなさいね!今日はこれで私、席を離れなければならないんです、本当にごめんなさいね!」

「あ!僕になんかお気になさらないでどうぞ!」

「ホントごめんなさい!次は必ずお傍に・・・・・・P子ちゃんよろしく!」

「は〜い!」

「それではごゆっくりしていって下さい!じゃP子ちゃんヨロシクね!」


そう言ってママは席を離れました。

もちろんこの前の夜の話など微塵も出さずにその場を立ちました。

彼はそんなママの対応が少し寂しく、しかしまたそれとは別に、そんな対応が彼をここに来易くさせる物でもありました。

そしてまた、ママが着けてくれたこのP子ちゃんが実に明るく奔放な性格で、話も上手で彼に全く気を使わせず、そんな彼女の接客が彼の重くなっている感情を凄く和ませ、これもママが彼の心情を察知してワザとその様な子を着けてくれたのではないか?と思わせるのでした。

ママは別の席で何時もの様に接客をしていて、彼は自分の席から何度かママの方を見たりするのですがママはそんな彼のそぶりを知ってか知らぬか全く関せずの様で、少しはこちらに気付かないか?という淡い期待で見るのですがその期待は成就する事はありませんでした。


「もう!せっかくお話しているのに気持ちは事ここにあらずって感じ?」

「えっ?あっ!ごめんごめん!で?何の話だっけ?」

「もう!いいわよ!プンプン!!!」

「え〜〜!本当にごめん!次はちゃんと聞くからそんなに怒んないで!」

「もういいわよ!分ったわよ!フフ!私の方こそごめんなさい、少しからかってみたの!^^」

「え〜!P子ちゃんも人が悪いな〜!^^」

「フフ、ごめんなさい!でも・・・」

「えっ?」

「でも本当にママって人気有るよね〜!」

「えっ?そうなの?」

「うん!本当に人気有るよ!私も夜に入ってもう随分となるけどママの様に人気が有る人はあまり居ないよ!」

「ふ〜ん、そうなんだ」

「ママってどこかミステリアスな所があるからそれが男の気持ちをくすぐるのかしら?」

「それはある!でもそんなにママをねらって来ている客が多いんだ?」

「ちょっとニュアンスが違うけど多いよ!別に狙って来ている訳じゃないんだよね!なんか癒されたいって言うの?そんな客が多いよ!」

「癒されたい?」

「そうよ!ママってなんか傍に居るだけで癒されるって言うかそんな雰囲気を持っているの!だからママをものにしたいとかそんなんじゃないみたい!」

「ふ〜〜〜ん」

「それに・・・・・」

「それに?」

「ママにはもう特別な人が居るもん!」

「えっ?????」

「やべ!言っちゃった!ごめん!これ聞かなかったことにして!」

「え〜!だってもう聞いちゃったぜ!」

「本当にごめんなさい!え〜!どうしよう!ワタシやばいよ!」

「分った分った!絶対誰にも言わないから!俺にだけちょっと教えてよ!」

「え〜〜〜!ほんとう〜〜〜!」

「絶対だよ絶対!誰にも言わない!約束!」

「え〜〜〜!ぜったいだよ〜!本当に誰にも言っちゃだめだよ!でないとワタシここに居れなくなっちゃう!」

「分ってるよ!俺だって君がここに居れなくなるのは困るよ!お気に入りなんだから!」

「本当だね?絶対約束破らないでよ!」

「男の約束!」

「じゃ教えてあげるけど・・・・今あそこに来ているお客さんが居るでしょ!あれがママの良い人!」

「えっ?」

「ほら!あの人よ!あの変なめがね掛けてる!」


彼は横目で悟られない様に目を凝らしました。

もともと薄暗い店内である為、周りの客の顔やしぐさが目に付かぬよう配慮してある店内ではありましたが彼はその男の顔やしぐさを目に焼き付けるほど注意深く見続けました。


「あの人・・・・・あまり詳しくは知らないけど相当お金持ってるって噂よ!」

「ふ〜ん」

「多分、このお店の開店に相当助けてもらったと噂で聞いたわ!」

「へ〜!」

「ま!要するにパパね!」

「何をしている人か知ってる?」

「ほんとう、あまり詳しく知らないのよ!でも・・・・・」

「でも?」

「多分・・・・噂では株関係の仕事だって聞いたことがあるわ・・・・」

「株関係?」

「多分よ!ワタシがヘルプで着いた時、そんな話をしていたもの・・・・なんか買収とか売りとか買いとか・・・・・」

「そうか・・・・・」

「それと・・・・・ヤバイ関係もあると聞いたことあるよ!」

「ふ〜ん・・・・・」


彼はその彼女の言う「ヤバイ関係」で、この話は相当信憑性があると思ったのでした。


「貴方もママを目当てでここに来ているんだったら諦めた方がいいよ!」

「その様だね!」

「そうよ!貴方の様な普通の人じゃとても太刀打ちできる相手じゃないよ!」

「本当だ!」

「だから!ママは諦めてあたしに乗り換えれば?」

「えっ?」

「あたしはフリーよ!何時でもオッケー!こう見えてもけっこうナイスバディーなのよ!^^」

「えっ?あっ!そ・そのようだね!」

「そうよ!ママのような雰囲気には程遠いけどこれでもあたし、けっこう人気もあるのよ!^^」

「あ〜、分るよ!綺麗だし性格も明るいし男だったら誰でも手にしたいと思うよ!」

「そうでしょ!へへ!どう?乗り換えない?」

「そんな簡単に言って良いの?本気にするかもしれないぞ!」

「なに言ってんの!あたしは本気よ!前から実は見ていたんだ!」

「えっ?」

「実を言うと・・・・・白状しちゃう!前からママに言ってたんだ!」

「なにを?」

「貴方が次に来たらあたしを着けてくれませんか?って!」

「どうして?」

「だって・・・・・気になっちゃったんだもん!」

「またまた〜!営業トークがうまいね!^^」

「嘘じゃないったら〜!これでも勇気振り絞って告ってんだぞ!!!」

「ま〜ま〜!^^で?それを言ってママの反応はどうだったの?」

「うん、別にどうって事なかったよ!こんなことはホステスの間では良くあるもん!お気に入りのお客を廻してもらうのって!」

「ふ〜ん!そうなんだ!」

「ただ・・・・・」

「ただ?なに?」

「う〜ん、ただ今回は少し歯切れが悪かったんだよね!」

「歯切れが?」

「そうなの!いつものママなら積極的に応援してくれるんだけど今回は・・・・」

「今回は?」

「今回はママが、少し待ってね!って言ってなかなか返事をくれなかったのよ!」

「・・・・・・」

「こんな事は無かったのにね!いつもママは応援してくれるのになんか変だったわ!」

「それって何時ごろの話?」

「そうね!貴方が顔を見せなくなって少し経ったころよ!」

「ふ〜〜〜ん」


彼は、やはりママがなんらかの感情があったことをこの話で確信したのでした。

それが良い事か悪い事かは今の彼には分らない事ですが、しかし、少なくとも何も考えてくれないよりはまだ全然マシで、なにか一筋の光明を見る気分でした。

しかし彼女の言うパパの存在が明らかになったことも事実で、ある程度の明暗が分ったことへの現実と不安も入り混じり、今後の自分の行く末が深い深い霧に中を進む事になるであろう事は間違いないとも思うのでした・・・・・・


「ね〜!また呆けてる!で?どっちなの?どうすんの?私の事???」

「えっ?あ・あ〜〜〜!」

「本当に煮え切らないわね〜!ママの事は諦めなって!貴方にはわたしの方がお似合いよ!」

「そうだよね!俺もそう思うよ!」

「じゃ!決まりね!わたし・・・尽くすよ!わたしにして良かったってきっと思うよ!」

「う〜ん、そうかもしれない!」

「きっとそうよ!じゃ!今日はアフター付き合ってあげる!^^」

「おいおい、それはまだ早いだろう!それに明日も早いからまた別の日にしようよ!」

「え〜〜〜〜〜!なんで〜〜〜〜〜!すっごい興ざめ〜〜〜〜〜!」

「ハハハ!ごめんごめん!次は約束するからさ!」

「ほんと〜〜〜?」

「ほんと!男の約束!」

「じゃ!許してあげる!でも次は絶対ね!」

「うん!絶対!」


彼は、今日はこのまま店を出、帰路に付きました。

しかしP子ちゃんのおかげで少しではありますがママのまだ見ぬ本当を知り、収穫のあった一日でした。

それとは別に新たな問題も出て来ました・・・・・


(P子ちゃんをどうしよう・・・・・・)

(ま〜別に問題は無いと思うのだが、これからはこの店に来ればP子ちゃんが俺に着くだろうな〜・・・・)

(しかし考えてみれば使えるかも知れん、ママの情報や男の情報は取りやすくなる、P子ちゃんも俺に言ったのは営業トークだろうししばらくはこのままで良いか・・)


彼は、これからがママとの本当の勝負と、心に刻んで帰宅の徒についたのでした・・・



つづく







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はいむるぶし 告発者っち なんだと!ここで打ち切ったら全国5千万の読者が悲しむではないか!^^ (09/09/21 18:59)
はいむるぶし まりあさん なんと!石垣島に行くのですか?出来る事なら沖縄本島に来て欲しいな!そしたら最高のおもてなしを用意できるのに!残念!石垣島の東側、特に何も無い所へ行くのですね!もし時間があれば平久保灯台は絶景です、それと満潮時にみる川平湾も最高に綺麗ですよ!更に時間があるなら米原キャンプ場は小さな売店がある本当は遊泳は出来ない所ですが皆さん関係なく泳いでいる無許可ビーチでも行って見て下さい、珊瑚や魚がたくさん見れて凄く綺麗ですよ!あ〜〜〜私も行きたい!ちくしょう!^^ (09/09/21 18:57)
はいむるぶし ここへさん はい!何時も有難うございます!友人は普通にモテル奴でした!別に商売上の分け隔てが無かったようです、ただ惚れた相手が夜の商売をしていた、と言う事だったのです。 (09/09/21 18:47)
告発者 今回で完結じゃないの爺?(・ω・ )。。。つーか打ち切りは無いの?^^ /。。。  (09/09/20 22:13)
まりあ P子ちゃんは複雑なキモチだったかも…。つづく^^ / そうそう、マのスケジュールが空き次第、クマの仕事のお供として、伊原間、伊野田、八重山というところに行くことに(・ω・ ) 私の全然知らない場所で右も左もわからない上、準備してもクマのスケジュールがいっぱいで行けるかどうやら。。。?! (09/09/20 22:03)
ここへ 所詮はホステスとお客の関係だから、ホステスはお客に金を落とさせるのが仕事でそのためにいい気にさせますからね。恋愛関係になることはないとはいわないけど例外でしょう。友人は商売女ではない彼女つくろうとはしなかったのでしょうか。 (09/09/20 20:50)


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