爺放談

私は野球をこよなく愛しております。

私の多趣味の中に野球もありまして、以前草野球チームも持つほど愛しております。

プロ野球のチームでは「ソフトバンクホークス」の大ファンで、そのファン暦は南海ホークス全盛期からの歴史を持っております。

当然ファン倶楽部にも所属しており、生粋のホークス党を自負しております。

しかしながら、この昨今、野球離れをしている子供達が増えていると言う情報が、良く私の耳に入ってくるのですがそれは本当なのでしょうか？

確かにプロ野球中継などは愕然と減り、一頃よりも野球熱は冷めている感はありますが国民全体的には野球離れと言うよりもスポーツ観戦離れをしているように思われます。

相撲をはじめ、昔は視聴率トップを君臨し続けたボクシング、サッカーなども一時期に比べれば人気も落ちていると思われます。

ある人はこう言います。

「これからの子供は皆サッカーに夢中だ」と・・・・

本当にそうでしょうか？

私は東京在住時、八王子の軟式野球連盟に参加し、草野球チームを運営していたのですが、練習する為のグラウンド確保がやけに困難したのを憶えております。

当時はＪリーグも発足しておりましたし、現在よりサッカーを口にする人は多かったのですが、それでも野球のグラウンド確保は困難を極めていました。

土日などは子供達のリトルリーグで占領されていて平日しか取れません、八王子は野球をする為のグラウンドが多数あり、それでも間に合わず私は隣の昭島や立川・府中に至るまでグラウンド確保に走り回った経験をしております。

ですからどうしても、このサッカーがそんなに人気が有るとは思えないのです。

私はスポーツ観戦自体が好きですので、サッカーも良く見ますが、しかし、Ｊリーグ発足当時からサッカー人気は日本人にはそれほど深くは浸透しないと思っております。

その理由は「あまりにも野球が面白いスポーツだから」です。

滅茶苦茶な理由とお思いでしょうが一つ例を挙げてみましょう。

私ぐらいの野球ファンは数多く存在します。

そんなファン達はプロだけに留まらず、高校野球にも思い切り精通しております。

それぐらいですのでプロの好きな球団にいたっては博士並です。

私はサッカーも昔から良く見ておりましたので、まだアマチュア時代の読売クラブ、古河電工、ヤンマー、などの時代も知っておりますが、自称サッカーファンに色々な事を聞いてみるとほとんどの方が良くてＪリーグ以降、悪いと最近のワールドカップぐらいの知識しかありません。

その方たちが懇意にしているプロサッカーチームの選手全員の名前が言えれば良い方で、高校サッカーに至っては見たことも無いと言っている方もたくさん居る始末です。

これでサッカーファンと言えるでしょうか？

また別の視点から見てみると、良くサッカーファンが言うことに「サッカーは世界各国が一番良くしているスポーツだ」といいます。

これは当たり前なのです。

サッカーというスポーツは一人でも練習でき、しかも少ない資金で誰でも出来ます。

何せボール一つ有れば良いのですから。

それと大きな理由に単純なルールです。

野球が世界に受け入れられない要因に、この二つが挙げられるでしょう。

特にこのルールが曲者です、野球のルールを良く知っているのは歴史のあるこの日本ですらあまり居ません、

これほど難解なルールのスポーツは類がありません！

例えば、振り逃げの定義、インフィールドフライの定義、タッチアップ、意外に難しいタッチプレイの定義などなど・・・・・

こんな事を何も知らない人達が覚えるのにルールだけでも何年と掛かりそうです。

その他に、どうして野球ファンは選手の事を良く知っているし記憶しているか？があります。

それは野球というゲーム性に有るのです。

団体競技は往々にしてヒーローが偏ってくるのです。

サッカーを見てみると良く分りますが目立っているのはごく一部の選手だけなのです。

しかし同じ団体競技にあって野球は誰でもヒーローに成れるのです。

たった代打の一打席だけの出場でも、そのゲーム全体を決定付けるヒーローに成れるからです。

ですから私たち野球ファンはそんなめったに出ない選手まで記憶出来るようになるのです。

色々な意味で、私たち日本人は野球というスポーツのルールやゲーム性は緻密でかつどんな選手でもヒーローになれる事から国民性に合っていると思う訳です。

だからとてプロ野球も安穏としている場合ではありません。

確かにプロ野球の観客動員数も減っているのは確かです、国民全体がスポーツ離れをしている現在ではしかたがない面もありますが、それでもそうなった理由があると思うのです。

私が思うにプロ野球では、まず「フリーエージェント制」が問題だと思っております。

昔は巨人の長島、王、広島の山本、衣笠　阪神の掛布、岡田　南海の野村、門田・・・

やはりファンはチームにも特別な感情を持っていますがそこにいる選手にも思い入れは強いのです。

それが今ではスター選手になればなるほど移籍ばかりでその選手に対しての思い入れも無くなりつつあります。

その他にはドラフト制度の改革も一つの要因ではないでしょうか？

現在は高校生はくじ引きですがその他は逆指名などによりあらかじめ行く球団が分ってしまうのは野球ファンとしては昔のように何の緊張感も無くなりました。

選手にとっては現在の方が良い制度だとは思いますが、結局はファンが減れば動員数も減り、いずれは球団経営も厳しくなり選手雇用にも響いてくるでしょう。

選手個人を大事にする事により結果として野球をする場所を狭めれば何の意味が在るのでしょうか？

最近ではイチローが人気が有るようですが、私個人的にはあまり好意的には映りません、新庄が言っていました「記録より記憶」これが本当のプロ意識ではないでしょうか？

日本のプロ野球で見れば記録だけで言えば「王・金田・若松・野村」などが居りますが絶対的にプロ野球を支えてきたのは巨人であり、長島である事はみなさんも認める所でしょう。

プロ野球はアマチュアでは有りませんので、記録は二の次でいいのです、アマチュアは記録だけを追及すればいいのです、その祭典がオリンピックなのですから。

プロである以上、それで給料を貰う以上、自分達のしている野球の人気の向上を優先しないでどうするのでしょうか？

現在の高校生も大学生も社会人野球の方達も、職業選択の自由より、プロの選手達も自由にいけるフリーエージェントを行使する事より、個人的な欲望を行使する前に、自分達の職場であるプロ野球と言う物の考え方を今一度見直す時期が必要であると思っているのですが・・・・・・・