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爺放談


 ■ 2008/10/21 (火) 波乱万丈14


初めての首都、東京にきました。

それまで大阪にいました私は、大阪も都会ですのでそんなに大差は無いだろうと思っていましたが、実際東京に来て、全く違う事に驚かされました。

住んでみて更に思ったことは、

緑が多い、街が綺麗、空が青い、中心から相当離れても立派な街がある、電車やバスを待っている人がきちんと並んでいる・・・・・・

私が最初に住む場所として選んだのは「三鷹」でした、それには理由があったのです。

本当は「吉祥寺」に住みたかったのですが、その理由は漫画家が多く住んでいるとの情報を聞き、アシスタントをやるには近くを住んでいた方が有利だと思い、周辺を探したのですが、あまりにも家賃が高く、それでその近所である三鷹になったのでした。

アパートは風呂なし木造、家賃3万円、最寄駅「吉祥寺」徒歩25分「三鷹」徒歩20分、日当たり悪し、買い物便利、そんな所でした。

私の東京へ進出するための軍資金は、ほとんどを家に入れてきましたのでアパートを借りたらほとんど残らず、すぐにでもバイトを探さなければならない状況ですので、東京見物などをしている余裕もなく、私は直ぐにアルバイトを探しに街へと行きました。

吉祥寺の街は平日でも賑わっており、バイトも思ったよりも早く見つかり、私は「しばらくはこのバイトで早く東京に慣れ、それから出版社に行き、誰でも良いので漫画家のアシスタントを紹介して貰えれば」と、考えておりました。

そして次の日、いよいよバイト初日です。
最初に選んだバイトは、吉祥寺の商店街サンロード内にあるパン屋さん、私の仕事はパン作りの手伝いです。
そこの社員が作るパンの装飾や包装を主にした簡単な仕事内容でした。
しかし、どうにも様子が変なのです。
いくら簡単な作業とはいえ、さすがにいきなり何も教わらず出来るわけではありません、私の方から聞かなくては何も教えてはくれないのです。
しかも、一度聞いたぐらいではダメで何度か繰り返して初めて返事が来るといった感じなのです。
それでも、なんとか仕事を続け、そして昼休みの時です、私の係りの社員が私に、

「お前、関西か?」

と聞いてきましたので、私が「はい」と答えると

「お前の喋り方、漫才みたいだなー、なんか真面目なのかふざけているのか分からないよね?」
と言ってきましたので私は「真面目ですよ」と答えるしかありませんでした。

その時は、私はあまり何も考えてはいませんでしたが次の日、バイトに行った時です。
朝、「おはようございます」と言って職場へ向かう途中に私を面接していただいたマネージャーに呼び止められました。

「○○さん、少し話が」

「はい、なんでしょう」

「君、何時、こっちに来たの?」

「はい、最近です」

「そうか〜」

「なんなんでしょうか?」

「いや、なんでもないんだが、大変申し訳ないのだが急に依然働いていた人が戻ってきてね、内としても即戦力の方が助かるのでまた使いたいのよ、そうすると君を雇うほど余裕があるわけではないので大変申し訳ないが辞めていただくことになったんだよ」

「そうですか」

「いや〜、本当に申し訳ない」

それで私はたった二日で最初のバイトはくびになったのです。
しかしこの時点では、探し始めて直ぐに見つけたこともあり、それほど深刻に考えてはいませんでした。
そして次のバイトも結構早く見つかり、今度は商店街にある電気小売店です。
そのお店は大手チェーン店ではないのですが結構繁盛しており、従業員も社員バイト含めて15名ぐらいの小売店でした。
私の仕事は売り子となり、お客さんを接客し販売する仕事で、初めてでしたが人と話すのは苦手ではありませんでしたし、むしろ面白そうでしたので最初のことなど頭に無く、早く覚えて慣れたい一心でした。
次の日、いよいよ仕事です、制服を身にまとい、社員が店内の説明と在庫の場所、その他色々と教えてくれ、さー売り子初体験です。
私は声も高らかに「いらっしゃいませ!」を連発!
私の最初の担当は小物でテープや家電部品、それでもある程度の接客はあるのです。

「ねー、これはどんな電気の傘にも合う?」

「はい、だいじょうぶですよ」

「あら?おたく関西の方?」

「はい、最近来ましてん」

「おい!これはこのシェーバーに合うのかね?」

「ちょっと待ってください、調べてきますから」

「なんだ、君は関西人か?」

「はい」・・・・・・・

そうして初日は終わり、初めての終始立ち仕事と慣れない接客で体はへとへと、直ぐに帰宅し、あっという間に眠りにつきました。

店長から呼ばれたのは4日目の朝でした。

「大変申し訳ないが、接客業ではその関西弁はやめてもらえないだろうか?」

「店長、そんなこと急に言われましても急には無理です」

「いや〜、君は悪くないのだがその関西弁はまずいんだよ」

「なんでですか?」

「ここは東京なんだよ、東京人は関西弁を嫌う人が多いんだよ」

「そんなこと言われても無理です、なんとかなりませんか?」

「俺にはどうすることもできないんだよ、大変申し訳ないが辞めてもらうしかないよ、他を当たってくれ、でもくれぐれも言って置くが東京で接客業を選ぶなら関西弁を直した方が良いよ」

「そんなこといわれても・・・・」

私はこの時点でもまだ、どこか甘く考えていたのです・・・・・・


お名前   コメント

ホームレス 調和さん 私も器量はおちょこサイズ^^ (08/10/22 03:51)
ホームレス めとろんさん そういう部分はありますよね、男ってなんかどうでもいいことに意地っ張りなんですかね?まー男は永遠にお子ちゃまってことで^^ (08/10/22 03:49)
ホームレス よもやんさん 成蹊大学!インテリじゃないっすかー^^しかもそこをけって違う所に!そうすると早稲田ぐらいかな?^^ (08/10/22 03:46)
ホームレス 5r53tnさん 私も東京が長くなってから、ちゃきちゃきの関西弁を聞くと無理に強調して喋ってるように聞こえ、違和感を覚えるようになりましたね。 (08/10/22 03:43)
ホームレス ダメオさん あなたはえらい^^大人ですね。でも大阪人はお金に細かくは無いですよ、良く一般的にそう思われているようですけど誤解ですよ。商売の街の印象がそう思わせるのですかね? (08/10/22 03:40)
ホームレス まりあさん そうなんですよね。その時の私はまだまだ子供だったのですよ。あっ!今もそんなに変わりないか^^ (08/10/22 03:36)
ホームレス 調和さん そらきっついっすねー (08/10/22 02:04)
ホームレス おやじさん コメント大変有難うございます。全く仰るとおりですね。 (08/10/22 01:53)
調和 ダメオ殿・・おしゃる通り器量は大きくないですねぇ〜。めろとん殿・・・そうですね・・言われた方はキョトンとしてました。でもその時のせっぱつまった状況で言われると「カチン」ときますし会議の席上では皆、標準語で話しますし、相手を見て話してるのが見え見えだったので敢えて厳しい言い方をしました。 (08/10/22 01:13)
めとろん 男性はなかなか染まらない(染まれない?)人多いですね。男と女は言語中枢の質が違うんでしょうね。私はすぐ染まれます。↓調和さん。それ、やわらかい言葉選んで丁寧に心こめて話してると思われます。京都弁はいかにリラックスした言い回しや音を選ぶかがポイントで、そこの所が大阪弁のリズム重視の言葉の選び方とは違います。やわらかさで相手への配慮をするのです。音の高低にまで気を配った言葉です電話口の京都工場の人が気の毒です・・・ (08/10/21 23:04)
よもやん 緊張して話すと、関西イントネーションになります(@_@;)  吉祥寺商店街・・成蹊大学の受験の時に通ったと思います。受かったけど違う所に行ったので、吉祥寺には縁が無かったですばい。 (08/10/21 22:20)
5r53tn 関西弁の言い回しは標準語では人を馬鹿にする言い方。大阪で聞いている分には気にならないけど、東京では無理。周りが皆標準語ではイライラしてくる。 (08/10/21 21:42)
ダメオ 関西弁に抵抗感じるなんて、そりゃ器量小さいでんがな〜 わてなんて関東やけど関西弁全然平気やで〜 でもな〜大阪人が金に細かい事だけは確かやさかい、そんなイメージが東京での商売にはあかんのやおまへんかな〜? (08/10/21 21:00)
まりあ お国言葉でトラブルが発生するなんて本当につまらないことですが、日本に限らず外国にも似たようなことがありますね。集団の中では暗黙の決まりを守らず、自分の個性や信条を強く出すことはタブーになりますね。。。(あっ、私も個性が強いかもね(・ω・`))  (08/10/21 20:25)
調和 本社が京都に有るので、本社工場の生産管理者に状況説明の問い合わせを聞く場合があります。彼は別に普通に話しているつもりだと思いますが「〜しますわぁ。・・・でしゃろ・・・・そうでんなぁ〜」はっきり言ってムカつきます。最近は言いませんが以前は「その言い回しをなんとかしろ!」ってどなりかえした事があります。関西弁って本当にムカつきますね。最近は慣れたけど。 (08/10/21 16:48)
おやじ 関西弁、東京の人をおちょくっている感じがする。おれも20代に愛知から出て来て、必死に直したよ。夜のバイトか、あまり話さないバイトがエエよ。 (08/10/21 06:46)


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