人生には必ず邪魔が入る。

【名もなき男の、ああくだらなき我が人生】

第四章　始まっていた白昼夢

第ニ話


私はその時、その時間を精一杯生きた事が少ないと思う。だからこそこんな低レベルな大人になったのだ。
授業中はいつもろくでもない事を考えていた。
次に起こるイベント的なものの想像、今度のテストの内容ではなく結果後の想像、次の体育、昼休み、その想像、かめはめ波と北斗神拳が使えたらあいつとあいつにぶちかまして、そんな想像。

つまり妄想の中で生きてきたのだ。

今でも妄想する。大量の武器を持って罪務省を破壊して官僚共に天誅を下す。そんな妄想。
大人になった人の姿というのは若き日の経験と自分作りの結晶だという事をつくづく実感する。

退屈な授業、その長い時間をどうやって凌ぐのか、その結論として身についてしまったのが妄想の中に逃げ込み時間が過ぎるのを待つ。そんなところだ。
授業を真面目に受けるのが立派になる道とは思わない。ただ学校教育を利用して考える力を磨いていく、肉体を磨く、対人関係を磨く、それこそが教育の意味であり本質なのではないだろうか。



その時代に捧げるBGM
井上陽水　夢の中へ
https://youtu.be/Z1G6vOrCHlY