人生には必ず邪魔が入る。

【名もなき男の、ああくだらなき我が人生】

第一章　人間始めました

第七話

意外と思い出せると言えるのか、言えないのか、園内での思い出はこんなものだ。
ポンキッキを見た記憶（勿論内容はおぼえてあえない）
バスで駅まで行ってそこから歩いて幼稚園に、二人一組で手をつないで、女の子と手をつなぐ事になると暴れん坊園児がからかっていた記憶……
帰りのバスでは降りる時にじいちゃんが回数券持って迎えにきてくれてたな。
バスを降りた後の記憶はないが降りる時のじいちゃんの顔を思い出せる。
激動の日本を憲兵として生き、シベリアでの抑留から帰還した。そんな人間の柔らかい笑みを浮かべたあの表情、その時はそんな事など頭の片隅にも無かった。
保母さんから「キップ持ってる？」と聞かれて「持ってない」と答えてキップ買ってもらった事もある。
じいちゃんが回数券持って待っているのに（笑）
何でこんな事覚えてるのかな……？

第一章　　完


その時代に捧げるBGM
まんが日本昔ばなしED
https://youtu.be/EVlfJQ3G9yE