不信のとき

昔、今から４０年近く前にNHKのドラマで「タイムトラベラー」というのがあった。
筒井康隆さんの「時をかける少女」が原作の子供向けSFドラマで、
たしか夕方６時からの「少年ドラマシリーズ」という枠で放送されていた。
ドアがギギーと開かれると暗闇の中に誰かが椅子に腰かけている。
その人が毎回ひとつだけ本当にあった怖い話をして、
それからドラマがはじまるという設定。
オカルトチックな不思議な雰囲気を今もよく覚えている。
自分の中では今でも「芳山和子」というと原田知世でもなく内田有紀でもなく
少しぽっちゃりした島田淳子さんをイメージしてしまう。

「１０年先も君に恋して」はそれから約４０年後の今年、自分がハマって観ていた
NHKのドラマである。内容は主人公と現在の恋人と未来の夫の三角関係の恋愛物語
とでも言えばよいか、ただこの「１０年先〜」はNHKらしからぬ凝った恋愛ドラマ
で、しかも不覚にも涙がこぼれそうなシーンが何回もあった。脇役のキャストが
豪華で、なんといっても主役の上戸彩さんの演技が素晴らしかった。
最後はまあハッピーエンドに終わったなというところだったが、
それにしても「タイムトラベラー」を思い出したのはなぜだろう。