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不信のとき

Author:伊藤 博文 ( Profile )
心に愛がなければ、いかなる言葉も相手の胸に響かない。
    〜聖パウロの言葉より〜

 ■ 2012/01/15 (日) 梅雨将軍(織田)信長


短編で30ページくらいの作品である。
桶狭間と長篠の戦と本能寺の雨にまつわる話。

織田信長は土砂降りの桶狭間を急襲して今川義元を倒し、
雨の晴れ間を狙って長篠に武田勝頼を破った。
大勝するのはいつも雨の時季。その陰には「気」を見る男がいた

その男の名は、平手左京亮、信長のかつての後見役であった平手政秀の弟であった。
桶狭間の合戦の前、今川義元の大軍が押し寄せる中、左京亮は、小鼓を打っていた。
信長が何をしているのか聞くと、気をうかがっているという。
そして、その後の大豪雨を予測する。
信長は、その大豪雨を利用して義元に奇襲を仕掛け、大勝利を手に入れる。
そして長篠の合戦でも・・・・だが最後には本能寺で。。。というお話である。

もちろん平手左京亮というのは架空の人物だ
しかし実際、桶狭間では空や風の様子から大豪雨を予測し
信長に進言した配下はいたに違いないし、同じように長篠でも織田陣営では
梅雨の雨の晴れ間を予測しながら日程を調整し戦の準備を進めたに違いない

新田次郎(作者)が織田信長を主人公とする小説を書くのは珍しいが
意外に新田「信長」は良く描けていると思う

桶狭間で豪雨の中、わずかな騎士を従え飛び出していく
信長の描写はやはりかっこいい






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サイコロ 藤原寛人(新田次郎)氏は、気象庁に勤務していた関係から、天候を題材にした歴史小説を上梓して我々を楽しませてくれる^まことに、独自の史観であるが、氏の得られたノウハウがちりばめられており、たいへん奥深い^ (12/01/15 21:08)


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