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独身中年・最底辺の日々


 ■ 2016/08/17 (水) 逝くまでの道程


これから逝くまで、小説形式で日々の出来事を綴ろうと思う。

俺は今、某地方都市の繁華街にいる。現金はもはや尽きている。昔勤めた会社の余興でもらった、カード会社のギフトカードがいくらか残っていた。それらを金券ショップで換金し数千円を得た。
それを握り激安立ち飲みでセンベロした。行きつけにハシゴしようとも思ったが残金を思えばままならず、スーパーで缶チューハイといかくんを買い駅前で呑んだくれた。
ほどなく、形容し難い怪しい風体の親父が話しかけてきた。この親父は俺がこの街に入り浸ってから10年来、常にあらゆる場所で見かけてきた人物で、「このオッサン何の仕事してんだ」とずっと気になっていた。
まさに衝撃のファーストコンタクト。実はこの親父、日雇い労働者の仲買いだったのだ。
顔に似合わぬ営業口調で、俺にアルバイト募集の手作りA4プリントと自身の携帯番号の書いたメモを手渡し説明を始めた。俺も酔っているのでうろ覚えだが、胡散臭さMAX。偽名でも構わないなど、まさにふた昔前以上にタイムスリップしたようだった。ひとしきり話を終え立ち去ると、俺はさらにもう一本飲み、締めに某仕切りシステムで有名になった豚骨ラーメン店で調子に乗って替え玉2杯まで喰らい、定宿のサウナ店の前に立ち呆然としていた。
すると、中国人と思われる三人組が話しかけてきた。
何を言ってるか分からないが、片手の指を丸め筒状にし、もう片方の人差し指をその穴に抜き差ししてみせる。
まあ、言わんとすることは分かった。
すぐ目先にそういう店が立ち並んでいる。俺は片方の指を握り、人差し指と中指の間から親指を突き出してみせると大リアクションで相槌を打った。このポーズは万国共通なのか?
俺は目の前にネオンの見える一番高い店を指差してみせる。彼らは大歓喜して慇懃に会釈するとその方向に消えていった。
それを見送ると、俺は最後の金でサウナに入った‥‥。

追伸

外国人NGの店が多いが、彼らは無事入店できたのだろうか?


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