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爺放談


 ■ 2009/10/07 (水) 愛と青春の旅立ち・・・・・20


「お前はママの背中を見たことがあるか?」

「えっ?い・いえ・・・」


いきなり男は質問してきました。

しかもその質問はママの核心をいきなり突く様な質問で、彼は知ってはいましたがあえて知らないフリをとりました。

それはもし「知っている!」とした場合「どうして?なぜ?」と返って来るのは火を見るより明らかで、その返答如何では自分にももちろんママにも迷惑が及ぶ可能性が合ったからです。


「そうか!まだ知らないか」

「何か有るのでしょうか?」

「ママの背中には立派な彫り物があるんだ!」

「彫り物?」

「そうだ!立派な天女が背中を舞っている!」

「えっ?そ・そうなんですか?」

「その意味をお前は分るか?」

「えっ?そ・その意味って・・・・・」

「そうだ!ママは以前有る男と付き合っていてその時の物だ!」

「そうなんですか・・・・・」

「それはまだママが学生だった頃、お小遣い欲しさに夜の世界へ足を突っ込んだ時、ある男に夢中になり、その男にそそのかされて入れたんだ」

「・・・・・・・」

「ママも当時は世間のせと言う文字も知らないまだお嬢さんだった、そこをその男は着け込み、言葉巧みに背中に彫らしたんだろう・・・」

「それで?」

「惚れた弱みもあったかも知れん、その男は彼女を本当の夜の女に仕上げようとし、彼女はそんな男の企みなど微塵も気付かず、後に気付いてももう後の祭りさ・・・」

「その男とはいったい・・・・・」

「組の者さ!」

「組の?」

「ちんけな奴だ!女を専門にしているゴロツキだ!良い女を次から次へと引っ掛けちゃー店に入れてその店から相応の金をふんだくる、入れた女が人気が出れば店から毎月報酬を貰い、当然女の給料もピンはねする!」

「・・・・・・」

「最初は女も何の疑問も持たずに働くがしばらくすると疑問を持ってくる、そんな時は話で言いくるめるか、それでもダメなら完全にその女を売り飛ばす!そんな事を繰り返しているのだがママの場合は疑問を持たれる前に引導を渡す方法を取ったみたいだ!」

「それが・・・・」

「そう!それが彫り物さ!こんな物を入れちまうと堅気にはもう戻れない!ママも後で気付くがその時既に遅しで、もう友達も両親も身内全てに相談など出来やしない!」

「・・・・・・・」

「奴はそれ程ママを高く買っていたんだ!ママは夜でかなり稼ぐだろうと・・・・」

「そ・それで・・・・」


彼はある程度は想像していましたが、ママの過去のその後も続く男の話に釘付けになっていました。


「私がママの働く店に顔を出したのはそれからしばらくしての事だった」

「・・・・・・」

「初めはただのお客の一人として通っていたんだが、ある日を境にママが私によく相談事を持ちかけるようになった、そうして私とママは普段外でも会うようになった!」

「・・・・・・」

「そうしたある日、ママは私に助けを求めた!」

「助けを?」

「そうだ!ママに付きまとうあの男と切り離して欲しいと!」

「そ・それで?」

「ママもその時はもうすっかり夜の女だった、だから私にあの男と同じ匂いを嗅ぎつけたのだろう、私にしかこんな事は頼めんと・・・・」

「・・・・・・」

「しかしいくら私でもこれは難しかった」

「なぜですか?」

「お前この業界を知っているか?」

「い・いえ・・それほどは・・・」

「まあそうだろうな!この業界はやってはならん事がいくつか有る!一つは他人の縄張りで商売をする事、それともう一つは・・・・」

「もう一つは?」

「もう一つはこの業界に属している男の女を取る事だ!」

「女を?・・・・・」

「最初の方もヤバイが女の方はもっとヤバイ!なんせこれは男の恥も掛かっているんだ!同じ業界の人間に取られたとあっちゃー話は直ぐに広まってこの業界では生き難くなる!要するに「なめられる」訳だ!」

「なめられる・・・・・ですか?」

「そうだ!この業界はなめられちゃ終わりだ!だからこと女の事は下手に手を出せない!」

「・・・・・・」

「お前「小指を詰める」って事ぐらい聞いた事あるだろ?」

「はい!良くテレビや映画で・・・・」

「この「小指を詰める」ってやつはお前も知ってるが本来の意味まで知っている奴はあんまり居ない!」

「本来の意味?それは組員が不祥事を起こした時の罰として・・・・ではないのですか?」

「違う!本来の意味は女だ!」

「えっ?おんな?」

「そうだ!女の不祥事を起こした組員に向けた罰則だ!」

「どうしてですか?」

「昔、ヤクザ達の間で実しやかに噂されて来たものが有った、それは男の小指には性的な神経が集中していると・・・・それから組内で女癖が悪い者にそれを断ち切る意味で小指を詰めさせた!そしたら詰めさせられた男は性的に大人しくなった・・・というのが始まりだ!」

「へ〜そうなんですか!」

「だからこの罰則は女関係のみの罰則であってその他の不祥事についてはその都度組長の裁定によるものだ!しかしそれが何時の間にか色んな事での罰則に使われるようになったがそれはお前も言うようにTVや映画の影響は有るだろう!」

「・・・・・・」

「しかしこれでも分るように、昔から女の事はこの業界では御法度なんだ!」

「では、どうされたのですか?」

「しかし私もママの期待に応えたかった、ママもその時はもう限界の様だった、しかもあの男は使えなくなった女は直ぐ売り飛ばす奴だからな・・・・」

「それでは貴方も・・・・・」

「バカ言え!私は女に惚れたりはしない!」

「ではどうしてですか?」

「私の目には、ママの資質がこんな物ではないと思ったからだ!」

「えっ?」

「あの男の所ではママを引き出せん!あんな男ではママの資質には気付かんのだ!ママはまだまだこんな物じゃなくもっと夜の世界で活躍する!その意味で何とかしたかった!」

「それじゃ・・・・それじゃその男とそれ程変わりがないんじゃ・・・・」

「そうだ!それがどうした?私達の業界ではこれが当たり前だ!」

「それは・・・・」

「フフ!まー良い!・・・それで私はママを引き取る為にその男と会って話をしたんだ!」

「それで?」

「そしたらその男!やっぱりどうしようもない男で話は簡単だったよ!」

「簡単だった?」

「そう!簡単だった!金で話は済んだよ!」

「金で?」

「そうだ!金をよこせだと!ふふ!本当に助かったよ!奴は借金が相当あったみたいで、組でも自分の立場が相当やばかったみたいで俺の持ってきた話は奴にとっては渡りに船だったようだ!所詮女でしか生きて行けない男だから頭は悪かった!女には強いがビジネスやお金の事はからっきし素人でね、本当に助かったよ!」

「それで幾らほど?」

「たったの3千万さ!」

「3千万?」

「そうさ!たったの3千万さ!本人がそれで良いと言っているからこれでこの業界にも悪い噂も立たず、大手を振ってママを物に出来たのだからこんなに安い買い物は無いさ!」

「買い物?」

「そうだ!買い物だ!」

「それじゃ人身売買だ!」

「そうだ!それの何が悪い?」

「ママは人間だ!物なんかじゃない!それっておかしいでしょ?」

「お前バカか?それで皆が丸く収まったんだぞ!ママも男も私も、皆がそれぞれ目的を達したんだから何を文句をつけようがあるんだ?」

「なんかが違う!丸く収まれば良いってもんではないでしょう?」

「やはりお前は昼間の人間でおまけに相当何の苦労もしてないだろ?」

「そんな事は有りません!僕もそれなりに苦労はしてます!」

「では聞くが世の中で一番大事なのはなんだ?」

「世の中で一番大事な事?そ・それは・・・・」

「金だ!」

「金?」

「そうだ!世の中で一番大事なのは金だ!」

「ち・ちがう!それだけではない!金も大事ですがそれだけじゃありません!」

「じゃーなんだ?」

「まだ僕には分りませんがそれだけでは絶対無いと思います!」

「まだ分りませんがだと?何を言っているんだか・・・・では聞くがお前はどうしてママの事が好きになったんだ?」

「どうして好きになったか?・・・どうして?・・・そんな事に理由などありません!知らぬ間に好きになったんです!」

「知らぬ間に? ふふ! では聞くが、もしお前が好きになったママがその辺で汚い格好して座っていたらそれでも好きになったか?」

「言っている意味が分りません!」

「では逆に、おまえ自身が小汚い格好していたらママがお前に今までの様な態度で接してくれていると思うか?」

「そ・それは分りません・・・・」

「バカか!そんなお前に振り向く訳無いだろう!火を見るより明らかだ!良いか!所詮人はどんなに綺麗事を言ってても同じレベル同志でなければ付き合えんのだ!」

「それは分りません!そんなに決め付けないでも・・・・」

「では聞くがお前の交友関係はどうだ?お前とそれ程の差は無いだろう?」

「そんな事は有りません!僕の友人で何時も金が無いって言っている奴も居る!」

「そうか!で?そいつとどう言った付き合いをしているんだ?」

「他に友人達と何の差も有りませんよ!」

「本当にそうか?」

「はい!」

「そう思っているのはお前だけじゃないか?」

「えっ?」

「その友人はお前と居る時は何時も考えていると思うぞ!」

「なにを?」

「お前の様な年齢になるともう学生の時の様ではないのだから、何もせず、話だけで済む訳ではあるまい!やはりどこかに行って酒を飲むか、食事をするか?とにかく金が一切要らない訳ではない!」

「・・・・・・」

「そんな時、その友人に選択権が無い!お前は余裕があるからどこへも行けるが友人はそうではない!その立場ってお前は考えたことが有るか?」

「有ります!だからその友人と会うときは何時もお金が掛からない様に極力します!」

「で?時には奢ってやるとでも言いたいのかね?」

「そ・そんな・・・・」

「お前は分っていない!お前はその友人の前では常に立場が上なのだ!」

「・・・・・・」

「一度や二度なら誤魔化しも利くだろう!しかし毎回そんな事が続いたらどうだ?常にお前が場所も何も全てを決め、友人はそれに従うしかない!こんな関係を続けていけるかね?」

「・・・・・・」

「逆に考えたらどうだ?お前が友人の立場に立ったらどうかね?」


彼はつい、ママと最初のアフターの時を思い出しました・・・・・・


「お前は分っておらん!人間関係も社会生活も同レベルでなければ行き詰ると言うことを!」

「・・・・・・」

「お前の会社もそうだろ?お前の様な一流の会社がくだらん会社と取引して無いだろ?同レベルかそれとも上のレベルか?」

「・・・・・・」

「どちらにしても、そのレベルを維持しているのは金だ!」

「金・・・・・・」

「そうだ!金だ!金さえあればなんでも出来る!さっき言ったママの昔の話も、お前の会社でのいざこざも、全ては金で解決できない物は何一つ無い!」


「金か・・・・・・」




つづく


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告発者 寝たきり老人。。。あっ間違えた!ネタ切れ老爺(*^_^*)こら〜〜〜♪ロロロロシアンロシアンルーレット(*^_^*) (09/10/19 05:21)
はいむるぶし 告発者っち うるせ!^^ (09/10/18 20:07)
はいむるぶし まりあさん なるほど!今やジャンクフードにどっぷり犯されている私も貧しい食生活!^^ (09/10/18 20:06)
告発者 えっまだ続くの(*^_^*) (09/10/17 22:20)
まりあ う〜ん。料理の本に載っているようなメニューはあまり出ないですよ、日本と同じ一汁一菜、一肉一野菜。日本の良食材をふんだんに使われた料理が多く並んでいましたよ。日本製はいいとか。ところがっ!日本の食卓には海外の安くて安全性が微妙?火もしれない、なものが並ぶこともあるので、ある意味日本は他国に比べて貧しいのかもしれません。。。。 (09/10/16 23:26)
はいむるぶし まりあさん お帰りなさい!何時ものようにお元気そうでなによりです!ロシアはどうでしたか?美味しいものを一杯食べてきましたか?でも良く考えたらロシア料理ってあんまり知らないな〜!ボルシチとピロシキぐらい・・・・やべ!食生活が貧困なのがばれる!^^ (09/10/16 22:48)
はいむるぶし 告発者っち こら〜〜〜!勝手に終わらすな!まだまだ続くぞ!しかしこの所仕事が忙しくってゆっくり書けないんだ〜! (09/10/16 22:43)
告発者 エロシア人(*^_^*) (09/10/15 23:20)
??? フフ!ただいま帰りました^^ え゛っ!まさか、打ち切りなんて私は信じないわよ。。。 / お待たせ、お土産のゴーヤー味のチン*コウです。日本のお菓子がたくさん売られてました。良かったらどうぞ(*^_^*)つチン*コウ■ (09/10/15 22:54)
告発者 ◇編集後記◇作者の都合で今回で最終回となりました。短い間でしたが応援ありがとうございました。( ´ ▽ ` ) (09/10/14 02:59)
はいむるぶし お〜〜〜〜!由良っち!何をしとるんだ!どうしたのだ?早く帰って来い!寂しいぞ!由良っちの日記は楽しみだったんだぞ!こんな爺の楽しみを奪う権利は無い!だから早く帰って来い! (09/10/12 19:04)
由良 盛り上がってきたねw小指じゃなく、アレぶった切ればいいのにwwwああ、また恐い女ぶりを曝してしもたw拝金主義じゃないけど、不相応な付き合いは疲弊するねえ。由良も3000万で買っていただきたいw資質を買われたママはある意味幸せかも。対価が自由だっつーのなら3000万じゃ安いがのw (09/10/09 21:27)
はいむるぶし 名無しさん そうでっせ!銭でっせ!銭亀が居るって事とちゃいまっせ!銭形平次が本当に居たって話ですぜ!ほんまかいな!^^ (09/10/08 19:08)
はいむるぶし ここへさん ひと〜〜〜〜つ人世の生血を啜り!ふた〜〜〜〜〜つ不埒な悪行三昧!み〜〜〜〜〜っつ醜いハゲがある!よ〜〜〜〜っつ良い子に嫌われる!えっ?もういい?こりゃまた失礼しました!^^ (09/10/08 18:59)
はいむるぶし 軍神殿 今だ私は駒のように働いております!あ〜〜〜!何時これから開放されるんだ!?ゆっくりしたい〜〜〜! (09/10/08 18:55)
はいむるぶし サイコロさん オーー!その展開は想像も付きませんでした!流石深読みのサイコロさんですね!ふ〜〜む!言われてみれば確かにこれまで私が関わってきた女性軍らは豪傑な方が多かった様に思いますね!その中でも際立って豪傑はうちの嫁・・・・やべ!まずい!これ削除して良い?^^ (09/10/08 18:53)
名無し 「命より大事な銭や!」と、萬田はんも言うてはりましたで。 (09/10/08 09:53)
ここへ 資本主義は先立つものは金で、金のために悪事を犯す人間もいるけど、悪事を犯すと返ってくることが社長のような大悪人にはわからないのでしょう。 (09/10/08 06:17)
軍神 そう神は天を支配し、金は地上を支配するユダヤの名言、金こそ全てを支配する巨大な力なのだ!!戦争も世界金融も裏世界にいる財閥どもが、1日で数千億円もの大金をチェスの駒のように動かし一喜一憂しているのさ。 (09/10/08 00:51)
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