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爺放談


 ■ 2008/10/27 (月) 波乱万丈20


ようやく、東京に来てもうすぐ半年が経とうかというぐらいだったと思いますが仕事が決まりました。
今度は居酒屋パブでの皿洗いのバイトです。
どういう訳か?ここの店長が私を気に入ってくれ・・・

「ちょうど洗い場が人が足りないのでそこでもいいかい?」

「はい、どこでもいいです、よろしくお願いします」

私は、この職場で働く従業員達の雰囲気がすごく気に入り、何か和気あいあいとしているように見えたのか、ここでは長く働けるように思えました。

実際働いてみると、調理場の人達やお運びの仕事をしている人達もすごく良い人ばかりで、私のその予感は当たっていました。

しかし、やはり閉め日の関係で、まともに給料を手に出来るのは二ヵ月後になりますので、その辺だけが問題ですが、職場としては申し分のないものでした。

「あ〜、最初からここやったらこんな状況にならへんですんだのにな〜」

「それでもきまったんやから良かったな〜」

「ホームレスのおっさんに言わなあかんな」

その職場での仕事は皿洗いですので、私は直ぐに慣れ、平日などはそれほど忙しくも無いので、少し怖い板長さん等と色々な話をして直ぐ打ち解けました。
しかし金曜土曜は、鬼のように忙しく、洗い場は直ぐに洗い物でいっぱいになり、どんなに洗っても洗っても追いつかない程のものでした。

そんな中でも私がこの職場が気に入っている一つの理由があったのです。
それは、客が食べ残した物をつまみ食い出来ることでした。
もちろん板長さんや店長には気づかれないようにこっそりとですが・・・それでも客が全く手を付けていない物や、高価なもので食べ残してあるものは他の従業員も食べようと狙っている者もいて、競争率は激しいのでした。

ある日の宴会のお客さんが入った時です。
そのお客さんに出した料理が豪華で、私は・・・

「このお客さん達、料理残さへんかな〜」

「特に伊勢えびのさしみ!食うてみたいな〜」

「どんな味やろな〜」

私は昔からどう言う訳か伊勢えびに凄く惹かれるものがあり、どうしても食べてみたい一品であったのです。
しかも、それが運がよければ食べれるかもしれない、しかもタダで!
私はそのお客さんが帰るのを今か今かと待っていました。

すると、フロアーから「ありがとうございましたー」の声!

「うん?帰ったか?」

すると、大量の下げ物が従業員の手で運ばれてきました、その中に伊勢えびを乗せた大皿が・・・・・・

「で〜! ほ!ほとんど手付かずやんけ〜! なんちゅうラッキーなんや〜」

私は憧れの伊勢えびをゆっくり堪能したかったので、それを乗せた大皿を残し、他の溜まった洗い物を全部片付けてからゆっくり味わおうと思い、猛スピードで洗い物に取り掛かりました。

すると、他の従業員が、一つ、また一つと伊勢えびが減っていくのです。

「うわ〜!早よせな無くなるで、でもまだあるから間に合うかな?」

やがて洗い物が終わり、さー念願の伊勢えびです。
一つつまんで口に運ぶと・・・・

「う〜ん?なんや?あんまり美味いもんとちゃうなー、なんかすっぱいな!腐ってんのか?そんなことないよな〜」

私は、あれほど憧れていた伊勢えびだけに、その味が期待はずれであったため・・

「世の中の人が言うてる高価なもんて実際はそんなに美味いもんとちゃうねんやろなー、みんなオーバーに言うてるだけなんやろ」

そして、仕事も一段落すんで、そのことを他の従業員に言いました。

「伊勢えびってそんなに美味いもんとちゃうね〜」

「えーそう?美味しいじゃん」

「好き嫌いはあるかもしれないけど、わたしは美味しかったよ」

「そうですか?俺は伊勢えびって始めて食うたんやけど、なんかチーズみたいな味やねんな、俺そもそもチーズ好きやないし・・」

「あれ?○○さん、それってもしかしてチーズを食べたんじゃない?」

「そうだよ、それチーズだよ、知らなかったの? 伊勢えびの刺身だけでは殻の中は間が空くのでその間にチーズの角切りが添えてあったんだよ」

「なんやて!そんなん入ってたんですか? 分かりませんでしたわ〜、そういえば少し色違うかな?とは思たんですけど・・・」

「いやー、○○さんは面白いですねー」

「ハハハハハ・・・・・」

こんなことがあってか、それからと言うもの、以前にも増して私への職場の雰囲気は良くなり、私自身これでようやく落ち着けて仕事も出来、東京にも「なんとかやっていける」と思えるようになりました。



それから後に、私がアパートを空けている間、郵便受けに不動産屋からの手紙が入っていました。

「家賃の滞納が5ヶ月です、至急連絡お願いします」

そうなんです、私が借りた借金は、家賃光熱費には回さず、この先の不安から食費だけに使っていたのです。

私は「まさか追い出すとまではいかへんやろう」などと高を括っていたのです。

私は今はもう仕事もあるし説明すればなんとかなると思っていました、しかし問題はもう一つあったのです。
郵便受けにもう一つ催促状のようなもの、それは「給水の差し止めの告知」でした。

「おいおい、水止めるんか? それはいくらなんでもせいへんやろ?」

郵便受けには何時も催促状のようなものばかりが入っていましたから、私は「いずれ払えばええんやろ」と思っては捨てていました。
実の所は「見るのが怖い」というのが本音でしょう。
多分、その中には再三の水道代の通知が入っていたとは思いますが・・・・

「なんでもええ、後2ヶ月すれば、そこまで何とかすれば、少しでも返せるようになる!もうちょっとの辛抱や・・・」




神が試練や苦しみをお許しになるとき、それは「私たちの益のため、そのきよさにあずからせるために、そうされるのである」(ヘブル12:10)








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ホームレス スチャラカ係長さん わかっちゃいるけどやめられね♪あっそれス〜ス〜ス〜ダララッタ〜スラスラスイスイスイ〜っと!^^ (08/10/28 12:39)
ホームレス ばばりんさん なんと!本当だ! いつもすまないね〜! 最近とんとぼけてしまって・・・・とほほ^^ (08/10/28 12:35)
スチャラカ係長 いけないとはわかっていても家賃や水道光熱費、メシが先だよね〜 (08/10/28 06:33)
ぱぱりん ホームレスさん こっちは偽ほむれすですから・・・^^ ところで波瀾万丈19ダブってませんか? (08/10/28 01:15)
ホームレス ぱぱりんさん は!せ!せ!せんぱいのばばりんさんじゃありませんか!こんなむさくるしいところへ来て頂き誠に有難うございます。さ!さ!何もありませんがどうぞゆっくりして行ってください。いや〜、今年ももう直ぐ終わりますね〜!いやいやお体の方はよろしいでしょうか?それは良かった・・・・・えっ!くどいって!そりゃまたどうも失礼しました〜!^^次回作?最善を尽くさせていただきます。^^ (08/10/28 00:27)
ぱぱりん 言い忘れた、人生ってオモロー!^^最高作品ですね! 波乱万丈20を期待してもいいですよね? (08/10/28 00:05)
ぱぱりん ホームレスさん(先輩!)私は新宿のカレー専門店で働いてたよ 金土は修羅場のように忙しかった・・・かどうかは記憶にない・・・カレーも作ったが皿も洗ってたなあ(適当に洗って怒られた)   (08/10/28 00:02)
ホームレス スチャラカ係長さん お初にお目にかかります。コメント大変有難うございます。その通りですよ^^昔の話です^^が・・・・今も大して変わっていないかも・・・・・(^^;) (08/10/27 23:50)
ホームレス めとろんさん え〜ん!めとろんさんがいじめる〜! しかし、ふっふっふ!そこが私の良いとこ! ふっふっふ!  なんでやねん!パート2^^ (08/10/27 23:48)
ホームレス 43歳さん ふっふっふ・・そこが私の良いとこ!  なんでやねん!って突っ込むところです!^^ (08/10/27 23:45)
スチャラカ係長 といっても、もう昔の話・・・ (08/10/27 23:31)
めとろん こらあーー!!まず家賃と光熱費水道代やろがあーーー!!何考えてんねんーー!!・・・信じられん。 (08/10/27 22:38)
43歳 ホームレスさん 俺は新宿の居酒屋で働いてたよ 金土は修羅場のように忙しかった、宴会客のコースの残り物も食ったなあ。でも家賃滞納5ヵ月はしなかった。 (08/10/27 22:15)


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