放蕩騎士の徒然語り。

　義侠心の伯爵殿下とおせっかい（いい意味で）の子爵夫人に。
　合わぬな　と思ったら距離をおかれよ。対立から何か学べるほど我等は強くはない。


　口の悪い準男爵殿に。
　あまり挑発的な言葉を吐いても良き事はないと見ゆる。悪意は無いのであろうが、聊かに貴殿の言葉は挑発的に過ぎる。僭越ながら御提言申し上げる。


　

　まあ……『貴様は左様な事を言えるほど大層な人間か？』と言われればそれまでなのだが。



　

　居心地のよさそうなコミュニティーや集団を見つけても、その中ではやはり大なり小なり対立が起こっている。
　
　
　ここもだ。


　ここは皆、ある程度同ベクトルに進んでいるから、大丈夫だと思ったのだが……。


　世界よ、笛の音を響かせたまえ。『社会に対する不満』でも『明日への覚悟』でもどれでもいい。皆が同じ方向に進む笛の音を、私は希う。

　今日は休みで、別に仕事の話ではないが……。


架空創作表現規制禁止の法制化を求める署名
http://www.shomei.tv/project-1025.html


　規制派の御方々、少し歴史学の心得があれば解るはずだ。斯様な規制で世の中がよくなったためし等無く、悪戯に冤罪とアングラ化を進めるだけだ。

　これは何も、ポルノグラフィー（エロ系）やウォーノグラフィー（戦争映画）ノワールフィルム（犯罪映画）だけの話ではない。もし創作を、我々のよりどころたる永遠の地を、汚す事あれば、けして貴方方を許さぬ。

　なにか仕事をするたびに、笑みが消え、失態が思い浮かんで臓腑が凍る。
　
　ああ　ああ　私のなんと社会生活に向いていないことか。

　おお、同胞よ、私は之まで仕事先から逃げたことだけはない。だが……それだけだ。
　おお、同胞よ、逃げるのには勇気がいるのだ。続けるのには気力がいるのだ。
　おお、同胞よ、私には他人の意見を検分する気骨も無い。理解する頭も無い。
　おお、同胞よ、人々の声が耳障りだ。メッセージウィンドウで出るのであればいいのに。
　
　おお、同胞よ、激情が欲しい　気力が欲しい　欲しいと思う心が欲しい。

　友よ、貴女の声が思い出せない。
　友よ、貴方の言葉が出てこない。


　臓腑の中の氷が冷たい。

　私の職場にはアメリカの留学帰りや現役の米国の美大生（長期休みで一時帰国して資金を増やそうと働いている）が何人かいる。その面子と休憩中に話していたが……。


米国美大生♀「これもってきたんですよー（アメリカ製の異常に甘いガム）」
留学帰り♂「おお、懐かしい」（あちらでよく食べてた　という意味で）
私「おお、懐かしい」（輸入菓子が好きで良く輸入屋で買ってたという意味で）

二人「あっ、AZULさんもアメリカ帰り？わー三人目ー」


私「……すまない……単に輸入菓子が好きなだけなのだ」

旅行以外ではレバノンに発掘調査についていったくらいしかないしな……。
旅行ならオーストラリアに珊瑚見に行ったとかネタはあるのだが……。
あーあ、微妙な空気ながしてしまったな……。


なお　仕事の方は　非常に辛く　逃げ出したいが、契約不履行をしたことがないのが自慢故、逃げ出せない。

無理だ……。そう言わせていただこう。二十も十五も操作方法があるものをすぐに覚えろだと！無体な……。接客のバイトなぞビデオ屋の半年しか無いと言うに……。
ミスをするのが決定しているような状態ではないか……。
どのみち私なぞたいした戦力にはなるまいよ……。





逃げたい…………………

　さて、月曜から短期の二ヶ月だけのギフト屋のバイトが始まるわけだが……。そ○うの。

　私は斯様な高価なものの商売が苦手だ。一つ間違えただけで、凶悪なクレームの角笛が鳴る。
　

　そ○うの規則：『客の施設（トイレやレストラン）を利用したらクビ。客用の入り口を利用した奴は二度とそ○うで働かさない』

　これだけでなく、非常に規則が厳しく、上役の目が恐ろしい。
　はたして二ヶ月堪えられるのやら？


　ところで……同僚がすべて素人のバイトなのだが……。
　経験０の我々だけで防ぎきれと？無茶な！！
　古来より傭兵に守備をまかせた砦がもったためしは無いぞ？



　そして、果たして首にならずに二ヶ月勤めきれるものかな？

　スカイプで友人と話す機会があって。
　タロットに詳しい友人に、私のことを占ってもらった。私の生年月日を聞き、彼女が札を掻き回す。

友人「……ん、逆位置の【法王】やね」
私「ふむ、意味は？」
友人「独善　視野が狭い　今の場合は……自分の考え方でドツボに嵌ってるってとこかな？」
私「なるほど、よーく当たっている。占いにまでダメだしをくらったか」
友人「んー、みんな大体逆位置が多いよ？ウチも逆位置の【女教皇】だったし」
私「ヒステリックで自惚れが強い……か。なるほど。独善法王と自惚れ女教皇か、そりゃカードも呆れるわな」

かくて古来より伝わる占法にて、私のダメ人間ぶりが証明された訳だ。

　私が師と仰ぐ作家の一人、栗本薫御大が逝去なされた。
　貴女の小説を見て私は歩いてきたのにな。
　なんとも残念極まる、心よりお悔やみ申し上げ候。
　もう貴女の書いたグインサーガは見ることが叶わぬわけか。傭兵イシュトバーンや犯罪王シリウスや印南少年に会えないのか。
　きっと貴女は私のことなぞ知らないだろうけど、貴女の小説を読んで、貴女の後を拙い筆とへまな演出で追いかけた、何万何千何百番目の不肖の弟子でありました。



【だって、つまり、ささやかなものから現実逃避するためにフィクション
ドラマ、ロマンというのは存在するのではないか？だから私は社会派ミステリーなんか書かないし、家庭小説も一切書きたくない】中島梓名義でのエッセイ「わが心のフラッシュマン」より



貴女の小気味のいい「ホームドラマ大っ嫌い論」がもう聞けないのは寂しい事よな。