若年層雇用・再就職問題 『再チャレンジ』具体策を
「『再チャレンジ』って言葉だけで、具体的なものも見えないし、正直、期待はできません」
安倍晋三新首相誕生から2日後の9月28日。
相模原市就職支援センターで就職相談を終えたばかりのスーツ姿の男性(33)は、政治への不信を口にした。
「変化を求めて一度も投票を欠かしたことはないが、いつも何も変わらない」
男性が大学を卒業したのは11年前。景気は悪く、就職は狭き門だった。「とにかく職に就きたかった」。
あまり深く考えないまま、内定をもらった東京都内の投資会社に就職を決めた。
会社では、先物取引の営業を担当。二十二万円から二十五万円だった月給への不満はなかったが、
ノルマがきつく、強引さが要求される仕事に嫌気が差した。5年間働いた後、逃げるように会社を辞めた。
5年を経ても、景気は回復していなかった。とても再就職は難しいと考え、専門知識を得ようと税理士試験の勉強を始めた。
vしかし、それも実らず、今年6月から再就職を目指し始めた。
現在は中小企業を中心に週に2、3社を回っているが、状況は厳しい。最初の面接を通過しても、最終的には年齢がネックになる。
「景気回復と言うが、話半分で聞いている。景気回復が大手企業にとどまり、中小企業に広がっていないのではないか。
ちゃんと働いて独立して、結婚もしたいのに…」。年金暮らしの両親と同居中の男性は、焦りを隠せない。
男性はこれまで30-40社を回ったが、内定は得られていない。
それでも、「支援センターでは『30代で就職が決まるには、平均100社回らないと』と言われている。
今のままでは何年先に就職できるか分かりませんが、希望は捨てていません」。男性は意を決したように笑顔で、次の会社の面接へと向かった。
http://www.chunichi.co.jp/00/kgw/20061001/lcl_____kgw_____000.shtml
投稿者 : 記入なし 日時 : 06/10/03 19:36