無職日報

己は髭がすぐ伸びる。
2日放って置くと、もみ上げからもみ上げにかけてわしゃわしゃと髭が伸びまくり、多少見苦しくなる。
髭が殆ど伸びない知り合いがいるが己はそいつが羨ましい。

伸びたからには剃らなければならない。無精ひげは己の好みじゃない。

前までは二枚刃の髭剃りを使っていた。ツルツルとは云わずとも、そこそこ剃れるのでまあいいかと思っていた。
ただ、剃った後に何処からとも無く血が出てくる、剃刀負けしている。
これは石鹸を使っていたからだと思い、髭剃り専用のジェルを買ってきた。
もうこれで大丈夫…。


そんなわきゃなかった。
同じように剃刀負けをした。たしかに顔がスッとして気持ちがいいけど、己が何とかして欲しいのは剃刀負けなのである。
この頃、二枚刃ではツルツルになれないと感じ始めていた。

そんな夏の日、コンビニに行くと、キャンペーン品として髭剃りが売っていた。500円。髭剃りにしては結構安いと思った。無職の己にはリーズナブルだ。
それは三枚刃だった。

早速剃ってみたら、二枚刃とはてんで違う剃り心地だった。随分ツルツルになった。
暫らくはそれで満足した。

そしてまた暫らくしたある日、剃り具合が日を追うにつれて悪くなっていた。刃の替え時なのだろうけれど、別売りの替え刃は結構な値段がするから、おいそれと買うわけにはいかなかった。
何とか現状で誤魔化す方法はないかと、何時ものように風呂で髭を剃っている時、何時もより力入れて剃ってみたら、さらにツルツルになった。これはいい剃り方を見つけたぞと、それから毎日そういう剃り方で剃っていた。

散髪屋行ったある日、散髪屋の親父に肌が荒れ過ぎて剃りにくいと怒られた。
剃ってばかりで肌のケアを怠っていたのであった。
だからドラッグストアでメンソレータムを買った。498円。
今は髭剃り後に常に塗るようにしている。
1回、顔中に塗ったので、あまりの刺激に目から涙がぼろぼろ零れたことがあった。


風邪はまだひいている。