ヒモと呼ばないで

公休。
昼からこれを書いているのは、妙な感じ。

一人立ち初日は、何とか終える。
二日目も、色々あったが、まぁいいや。
細かいことは本当に本当に色々あるが・・・まあ今日はいいや。

とにかく「朝起きて、夜寝る」毎日がある。
仕事が終わった時点で、「今日も昼から寝なくちゃいけないのか」「何時間眠れるのか」・・・を思い、暗澹とするようなことはない。

これだけでもかなり助かっている。
そのために前の会社辞めたんだから、今回の転職は成功だろう。

そうだ。
既に、転職は終えた。

・・・次を考えてみる。

こういう状況にあるうちに、何とかしてこの「救命ボート」からもっと安定した船へ。
贅沢言えば、みんなみたいに、出来れば下船し、どこかの島に上陸して、そこから海を眺められたら・・・なんて。

この国に警備業という救命ボートがあったのは、とにかく幸運だ。
それも思いのほか数も多く、今まではその息苦しさに我慢できなくなれば、ちょっと足を大股に広げれば、すぐ他の船に移れた。
俺の状況が、まだまだボートの乗船条件に合致してたからだ。
とはいえ、ボートはボート。
隣の芝生の色は自分のそれとそうは変わらないんだけど。

でも、今回の転職で思い知った。
今までならあっさり決まってた面接も、とうとう断られるようになってしまった。
もう、移れる船は少ないんだ。
いや、もうな無いのかも。

となれば、今のまま移船を試みることは、即「溺れる」ことを意味する。

今までの調子で片足を今の船に置いて、大股に跨いだつもりが、空振りで水面に転落。
さっきまで乗ってたボートは、即、空いたスペースに別の溺者を救いだし、スピードを上げ離れていく。
そのスクリューが立てる波をもろに顔に受け、油の浮いた海水を飲む俺が掴めるものといえば、せいぜい「藁」がいいところ。
他の船はもちろん、イカダ代わりになりそうな板も、その材料になりうる流木すらない。

掴んでも、それは「藁」だ。
溺れる者の最後の慰み。
安堵は一瞬、それも上腕にだけもたらされるが、沈むのは同じ。

溺れ死ぬ。

・・・。

「救命ボート」or「溺死」

誰でも前者を選ぶだろう。
もちろん俺も。
だから今もその中にいる。

でも、それと、もうこの救命ボートから出られないキツさは別物といったら我儘だろうか。

・・・。

「朝起きて、夜寝る」ことのできるボート。
毎晩、家族と一緒にご飯を食べることできるボート。

自分でこう書くと、それでいいじゃないか、とも思う。

でもボートはボート。
短時間の乗船が前提だ。
助けられるまでの間の一時避難の船。
そう長くはいられない。

今まではそれを「乗り換える」ことでごまかしてきた。
でも、もう次の船はない。
船を出れば溺れ、掴めるものは「藁」しかない。

・・・。

前向きに考える？
自分に投資する？
打ち込んで勉強する？
何かのスキルを身につける？
必死に資格取る？
どこかのコミュニティに参加する？

So What？
俺の知る、最高の単語直訳中学英語。
「だからなに？」

何年も警備しかしてない中年男の俺にとっては、もはや全ての思考と行動が「藁」だ。
透明ビニールの小さい窓から見えるもの全てが「藁」だ。
いや、自分を救ってくれたこのボート自体が、もう「藁」なんだ。

「朝起きて、夜寝る」生活

もちろん大きな慰みだ。
救われた実感だって感じる。

でも、やはり「藁」。
ほんのひと時の、部分的な救い。
「ヵ月」から「年」ほどに長期的に、望遠から標準レンズほどに少し視野を広げて真剣に考えれば・・・全て足りない。
全然持たない。

沈む。
溺れ死ぬ。

警備のバイトだけじゃ、何もかも足りない。
正社員になっても同じこと。
今まで正社員だった。

何を手にしても「藁」。
溺れる者が掴むもの。

・・・。

いや一つ例外がありました。
ここだけ「浮き輪」ですね。
いつも縋り付いて、抱き抱えるように駄文をぶつけても沈まない。

管理人さん、いつもコメントを下さる皆さん、ムカつく記事にもスルーして下さる皆さん。

いつもありがとうございます。
お陰様で沈まず、こうしていられます。

ありがとうございます。