ヒモと呼ばないで

研修。

朝5時起き。
8時間立ちっ放し。

なんだそれ。

言いたいことはあるにはあるが、それでも前の職場に比べればお花畑だ。
　

汚い言葉がない。
罵声がない。
泊まりがない。
衣擦れの音にすら事前注意のある仮眠室もない。
過去自慢合戦(女自慢、稼ぎ自慢、人脈自慢、青春自慢)もない。
新人の俺を掲示板代わりにする、その場にいない者晒し祭りもない。
だらしない制服着用ワイルドバカもいない。
舌打ちバトルロワイヤルもない。
24時間勤務もない。
36時間勤務もない。
正月から48時間勤務もない。
入社からほぼひと月は公休なし、もない。(後に「労基署」連呼して撤回させるが)
24h明け24h明け24h日勤明け24h夜勤明け24h明け公休・・・なんてシフトもない。

若干1名、その萌芽がまさに開かんとしてる男がいたにはいたが、そんなのはどこにでもいる。
まだ、それが咲いてないっていうのが肝心だ。
俺はあと1日で別現場に移るんだ。

・・・まぁ、それは置いといて。

みんな、淡々と仕事してる。
若干1名、遅々としてるものいるが(しつこい)。

そして何より。

「朝起きて、夜寝る」暮らし　がある。
「8時間労働／日」がある。

その「朝」と「夜」の間。
「起きて」と「寝る」の間。

その「間」を何とかうまく、サバイバル。
被弾しても、急所を外す。
逃げられる距離なら、迷わず逃げろ。

遠くへ行くには、一歩のその幅を小さく、小さく。
上半身は弛んで、地面は蹴らない。

呼吸にはこだわるな。
身体が吸いたいように、吐きたいように息をすればいいんだ。

エリートランナーが後方から、先導の自転車を追い越すものすごいスピードで来ても、観客目線で驚いていればいい。

・・・。

俺はこうして4年連続新宿シティハーフマラソンの10kmの部を完走してるんだ。
最大で109kgから70.2kgまで体重を落とし、2�q走るとへたり込んでたのが、家から東京ドームまで20km以上も走れるようになったじゃないか。

・・・。

自分の人生もきっと。

・・・。

そして、近いうちハーフに出場。
そして、いずれはフルマラソンにも。

・・・。

「朝起きて、夜寝る」。
たったこれだけのことを、1週間に満たない時間受け取るだけで、たとえほんの一瞬でもこんな気持ちになれたりするんだ。

今、22：30
間違いなく「夜」だ。
寝るのも、恐らく24時前後。
これなんか「真夜中」だろ。
「真の夜の中」だ。
・・・ざまあみろ。

さぁ、寝るぞ。
そして、明日も朝しっかり起きてやる。

その間のことなんかはともかく。
俺は朝起きて、夜寝るんだ。

その間なんかどうでもいい。

俺は朝起きて、夜寝るんだ。