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ヒモと呼ばないで9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。 |
■ 2004/01/18 (日) 雪2 |
天気予報当たる。
本当に雪が降った。 出入チェックの合間に警備室から外をのぞき込むと、目の前のバックルームや荷受場に降る小粒の雪が、頭の中で八国山一番のお気に入りの谷戸の辺りに降る想像の画に、一瞬で切り替わる。 もう葉という葉はほぼ全て落ちきっているので、恐らく雪は何の抵抗も受けず、そのまま枝や地面に落ちてくるだろう。 多分またあそこには、人は一人もいないに違いない。 時折、鳥か何らかの獣が動く時以外には、音はないはずだ。 そこにただ降るだけの雪。 雨でさえ、あんなに不思議な気持ちにさせてくれたんだ。 ここで雪を見たら、一体どういう気持ちになっていただろう。 忘れてた何かを思い出すだろうか、それとも、感じたことのない何かを見つけたか。 そして、それが降っては溶け、降っては溶け…を何回繰り返した時点で、雪はその「白」を地表に許されるようになるのだろうか。 そこに居合わせていたら、本当に数えてたかも。 そこまでしなくとも、地面に落ちた瞬間に消えてしまう雪をいつまでも見ていたのは確かだろう、今日の俺なら。 まだ降り始めて間もないからだろうか、仕事を終え帰途に就く際ですら、遊歩道のザラザラした煉瓦のような素材と、車道のアスファルト、そして土の地面では、その「許容範囲」にかなり違いがあることがわかる。 一番「白」いのが「土」、車が走るとすぐ消えてしまうので確かじゃないが、次ぎに「アスファルト」、そして遊歩道はほとんどいつもと同じ印象で「白」なんて微塵も感じさせなかった。 もし自分が「雪」だとしたら。 そして、そこにいた、という痕跡を残したいという想いが本能だとしたら。 やはり誰もが「土」に降りたいと思うだろう。 車に一瞬で蹴散らされるのなんか嫌だし、「歩きやすいように」手を加えられて(?)、降ったそばから溶けていかなきゃならない素材の上だけはなんとか避けたいと思うだろう。 もし自分が雪だとしたら。 やはり里山の谷戸のような所に降りたい。 一度は白く輝いて、やがて積もり、そして時間をかけて溶け、川や沼に流れていき、草花に力を与え、そして土に還っていく。 そういう時間を過ごしたい。 もし自分が雪だとしたら。 今、まさに地面に向かって「落ちている」。 そして、このままだと車道のアスファルトだ。 頼む。 風よ吹いてくれ。 そして、俺を里山に連れていってくれ。 早く吹いてくれ。 頼む。 ・・・。 さっさと吹け。 |
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