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爺放談


 ■ 2014/07/26 (土) 永遠の0


「永遠の0」を観た。

率直な感想を言うといまいち残念な映画だったという印象であった。

百田さんの原作だけあってかなり期待していたせいもあるだろうが内容的には何か違和感を感じた。

その違和感というのは主人公の「生」への執着と言うべきか「価値観」というべきかこの辺りに違和感を感じた。

確かに当時はこの様な価値観を持った人間もいたのかもしれないがこの映画の意図したいところがこの価値観をクローズアップしている点で何かぼやけてしまっているように思う。

私を含めて戦後生まれの人間にとっては当時の人達の心情はあらゆる資料や当時を生きてきた人から見聞きする事で推し測る事しかできない。

しかし当時の人間も現在の人間もベーシックな感情はそれほどかけ離れているとは思わない。

私の歴史というものの見方はこのベーシックな感情を土台として推し測るという見方をしている。

ただこの見方は個人差が出るように思うがそれも含めて「大方の人間ならこう考えるだろう」という推し測り方だ。

更に付け加えるなら、当時の時代背景や公共性や政治体制などを加味して考えるようにしている。

例えば、大東亜戦争時の公共性と現在の公共性では大きな違いが有り、それぞれの中で暮らしている人間ではベーシックな感情も違いが出て多分一般的な考えではこの辺りが違って考えるだろうというような具合だ。

公共性に重きを置いた時代では「命」という物の価値観は現代に比べては絶対性が薄いだろうと思う、であるからこそ「特攻」のような最後の手段でさえ志願できるように思う。

平和主義者たちはこの辺りの思考が違うように思う。

言葉では当時の人達の心情を理解しているような言葉を出すが、しかしどうしても最後には現在の思考価値観で物事を推し量っているように思う。

で、話は戻すが、この「永遠の0」で取り扱っている主人公の価値観は私の印象では「極端」な価値観の持ち主と言う印象だ。

また、主人公に対した人間たちもこれまた「極端」な価値観の持ち主を対峙させる事で、主人公のもつ価値観をさらに際立たせている。

この極端な両者の対峙は、結局は「命」という物の見方の対峙でしかなく、しかもその当時の「命」の価値観を現在生きている若者の価値観と比較描写させてより浮き彫りにさせている。

確かに戦争映画という物は基本的に「命」という題材が主流になりがちだが、私はこの映画はそんな陳腐なものではないと思っていただけに少し残念な思いだった。

私は鹿児島県にある「知覧特攻平和会館」に行ったことがある。

ここには特攻で死んでいった方々の辞世の句や手紙や写真が展示してある。

靖国神社の中にある「遊就館」にも何度となく行った。

私に出来る事と言えば、残されているこの遺品や手紙や残された家族の事などを記してある物から当時の人達の思いを出来うる限り想い馳せる事しかできない。

そしていつも私は誰はばからずこれでもかというぐらい目から涙をこぼしている。

私は思う。

「反戦」「命の尊さ」「平和」などの様な陳腐な物で当時を推し量っては絶対いけない。

当時の時代のうねり、世界を取り巻く環境、圧倒的な力に翻弄された絶対的に過酷な時代を少なくとも現在のうすあまい環境に育った人間が推し測ろうなどと傲慢極まりないと。

何が善で何が悪か?

そんな思考は余裕がある人の思考で絶対的窮地に立たされている時にそんな事を考える暇などみじんも無い。

当時の多くの遺品や手紙や辞世の句から読み取れるもの。

崇高な思いから身を投げ出す人

ただ家族の事を思い身を投じる人

後悔したくないことから身を投じる人

未来へ身を投じる人

文面から死の恐怖におののく人

想い出だけを胸に抱いて身を投じる人

これらの文面を通して唯一分かる事、それは本当にベーシックな感情で・・


「守りたい」


ただこの一点に尽きる。

個々それぞれがこの「守りたい」ものの意味が違う物であってもこれに尽きるのだ。

その為には忠義を重んじて身を投じる者もいれば卑怯者となって逃避する者もいる。

しかしそれらの行為を現在の人間がジャッジするなど傲慢で、更に言うなら一番してはいけないのは道徳を持ち出して対比する事だ。

「平和」「命」「反戦」など誰でも当たり前の様に思っているつまらない道徳で全てを推し量ろうなどと何様だと思っているのか?

私は思う。

先人たちが、当時を生きてきた多くの人達が行ってきた全ての行為に敬意を払う。

それがどんなに卑怯な行為で有ろうと。

それがどんなに崇高な行為で有ろうと。

それがどんなに悲しい行為で有ろうと。

これを他国からどの様に揶揄されようと、私は何一つ恥ずべき行為ではないと自信を持って言える。

命は大事、戦争は悪、そんな事は現在を生きる人達以上に当時の人達は何倍も切実で何倍も知っている。

命の尊さを訴えるなら、現代の人間に訴えるなら、何も大東亜戦争を題材にする必要はない。

そもそも当時の価値観では現在とはかけ離れているのだから本当に訴えるなら現代をベースにした題材にするべきで、でないとただの物語でしかなく実感が伴わない。

おまけにもう既にその様な陳腐な戦争映画は腐るほど既にある。

百田氏がこの映画の出来栄えにどれほどの思いがあるかは定かではないが、もしそこそこの出来栄えと思っているなら残念である。

更に言うなら主人公が色男過ぎる。

このキャストを使った時点でこの映画の目論見の浅はかさを感じ取れる。

いつの日か、本当に当時の、大東亜戦争を描く映画と出会う日を待ち望む。


尊い先人達の思いを本当に馳せた


私達の国を作り上げた尊い歴史の一つの時代を生きてきた人達の映画をいつの日か・・・
















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はいむるぶし まりあっち! どどどどこに行こうというのですか!私には休日など有りませんよ〜!えっ?沖縄へいらっしゃる?それなら万全を期してお迎えをいたしますぞ!ホテルはダブルで良いですよね?^^ (14/08/01 18:49)
まりあ あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ああああああっ!!!はいむるぶしさん、「セッションズ」とか「0」とか、映画見過ぎで最近なんだかギンギンにお堅くなってますよ〜(^_^;)))))) 今は夏ですから、ウナギでも食べてにゅるるっと、もっと柔らかく気楽になってしっかり儲けてくださいね〜(*^_^*)それでは私、おでかけにイッて来ます(^O^)/さんぴん茶、楽しみにしてますよ〜^^ (14/07/29 22:06)
はいむるぶし 腐敗官僚さん 配慮?配慮なんてしておりません!思った通りを書いているだけですよ!ですからやはりこの腐敗官僚さんのこのコメントが証明していますよね!^^ (14/07/29 14:55)
はいむるぶし ミンミンさん はじめまして!そうですか!論点ずれてますかね?そうかもしれませんがこのコメント枠では書き込みにくいし伝えにくいかも〜〜〜! (14/07/29 14:28)
腐敗官僚 はいむるぶし殿の御配慮、感謝します。 ”必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ。”織田信長の言葉でありますが・・・全くもってその通りで御座います。その光り輝く生涯こそ、神にも等しい尊厳であると承知しております。ただ、「永遠の0」に関しては本と映画とはテーマが違うと思います。 孫子の兵法さえも知らぬであろうと疑うべく当時の指導者の振る舞いに翻弄されざるを得なかった事は割愛すべきでは無かったのではと思う次第であります。 (14/07/28 22:15)
ミンミン うーん。。何かうまくは言えないけれど違うような気がする。それぞれの方々がね。みんな論点がずれてるような気がする。 (14/07/28 18:17)
はいむるぶし 多分これは私の希望的観測ですが、もし、「永遠の0」を題材とした日記を腐敗官僚さんが書いたとしたなら、私の日記と同種の日記となっていると思います。また、そう思いたいですね! (14/07/28 14:48)
はいむるぶし 次にお二人が腐敗官僚さんのコメントに感じた違和感も私には感じませんでした。なぜなら腐敗官僚さんのコメントからお分かりになると思いますが、実に精査がされているという事実です。これはただ単に揶揄や誹謗を目的としていないという証だと思います。いい加減な歴史認識や左翼的思考から出ているコメントではないという印象を私はそう取っております。なぜそう思えるかはこれまでの私の日記に対してのコメントからそう取れるのです。 (14/07/28 14:40)
はいむるぶし 暖炉さん 記入なしさん 私は腐敗官僚さんのコメントからお二人が感じた事とは少し違います。まずはこの腐敗官僚さんのコメントはあくまでも私の日記に対してのコメントです。それはこれまで古くから私の日記に対してのコメントの有り様からある種のスタイルが出来上がり、そのスタイルに則ってのコメントになっておりますので本当の思惑から外れたコメントになっている事もしばしばあると思います。 (14/07/28 14:29)
記入なし 腐敗官僚殿の意見や思想も十分に理解した上で申し上げるが、貴殿には配慮の無い発言があるように思える。時代に生きた人間はそれが正義だったはず。そう思わざるしか証がなかったはず。貴殿も理解しているはずだからこそ言動には優しさと配慮があって良いと思いますよ。 (14/07/27 21:15)
腐敗官僚 江田島の海上自衛隊にある教育参考館に展示してある特攻隊の遺書や遺髪、遺品(公開していない物も含む)を精査する事ができた時期があったのだが、敢えて言える。”勇気と蛮勇と履き違えたな”と。 (14/07/26 23:59)
暖炉 特攻隊だった祖父を思えば、あまりに酷いと思います。あなたは何様のつもりなんでしょうか?特攻する勇気も無いくせに。遺族の悲しみはあなたにはわからないんでしょうね。冷酷過ぎます。↓ (14/07/26 23:31)
腐敗官僚 本当にベーシックな感情で・・「ゼニを守りたい」ただこの一点に尽きる。 (14/07/26 17:44)
腐敗官僚 この時代のパイロットは「ブラック企業で過労死して花と散る企業戦士w」を彷彿w 小説「生まれ出ずる悩み」のように彼もやりたい夢も欲望もあったはずなのに惨たらしく戦死w 主人公が地獄の対空砲火を潜り抜け米海軍空母にカミカゼする瞬間にみせた安堵の笑みは「生まれ出ずる悩み」からの解放からきたものでしょうねw 無駄な才能と無駄な努力そしてチープな人生譚 もし俺がパイロットならばゼロ戦に乗ったまま米海軍に投降、亡命して幸せにくらしましたとさw (14/07/26 16:49)
腐敗官僚 遊就館のモックアップではなく、オリジナルの飛行可能な機体をアメリカで拝見した事がありますが、まさしく有人の紙飛行機ってな印象でしたね。もともと戦場にでて生還できる仕様じゃないです。生還する事がパイロットの熟練度によって可能となる謎仕様w (14/07/26 16:27)


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