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放蕩騎士の徒然語り。


 ■ 2022/01/23 (日) 【騎士は月下に放浪し 世の流れに嘆く事】



(門を開け 時代遅れの鎧と羽飾り付きの兜の騎士はうんざりした様子で広間に座り込む。もう従僕もいない 友人たちはある者は仕官し ある者は死に ある者は首を吊り ある者は屋敷から出て来なくなった。だがほとんどの者は仕官し働いている)
「ああ本当に」
「取り残されているのだ。私は」
「皆はすっかり一角の人物になった。市政にかかわり領主の覚えめでたき者 大きな開発計画にかかわった者 騎士団の中枢になった者 精神を病んだ数多の人々を助けた者......そうとも皆立派にやっている」
「私だけだ。あの友人一同の中でこんな有様なのは。同じ境遇の新しい友人相手にそれをこぼしているのだから世話はない」

「随分とここの様相も変わったがこうして私は戻ってきた。何故?決まっている、承認欲求だ」
「彼方の方では碌に口も開かないが元来こうして話すのが好きで呪詛を吐くのも好きだ。しかして声を出して話すのは苦手だ。であればこうして文をしたためるしかあるまい」

「かくて放浪騎士はまた呪詛を 言葉を 泣き言を記す」




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