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 ■ 2011/09/01 (木) 自転車屋


実家の近所の自転車屋の息子は僕と中学で同級生だった

僕は中学を卒業し、北海道の高校に越境入学した
彼は地元の工業高校に進み、卒業後、家業を継いだ

それからもう30年、ずっと彼は自転車屋の店先にいる
もっとも30年前は、小屋のようだった店は
今では3階建ての住居を兼ねた大きな建物になった
若かった父親はもうすっかり年をとったが、
そのかわり若い美人の奥さんがいて、店を手伝っている

僕が東京の大学に進学してからも
就職してからも
女に振られたときも、
上司に叱られたときも
与那国に旅行に行ったときも
得意先につるし上げられたときも
初めてヨーロッパに行ったときも
彼はずっとこの店にいて働いていたのだ

そう思うと妙な気がする

5月の連休・夏休みに実家に戻ると
いつもこの自転車屋の前を通る
時には店に入って、自転車の修理を頼むこともある

先日、実家に戻ったときも自転車を持って行って修理をお願いした
特に親しい間柄ではなかったので、僕は彼に対して丁寧語を使う
修理の間、店の中で椅子に座って待っていると、奥さんが冷たいお茶を出してくれた






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